本日の高住神社の状況です。
◆晴れ
◆-4℃
昨日は豆まきにまつわる昔話を話しましたが、全国にも似た話がたくさんあり、
鬼と約束をしたのは弁天様や村人だったりと、それぞれの地方ごとに違うようです。
さて、ここ英彦山にもよく似た昔話が伝わっています。
「彦山大材木小材木伝は木にてはなく石なり。昔鬼ども数多集まり、居所を作らんとせしに、権現の告げて曰く、此の頃明たちましかば家作ること叶うまじき由を仰せられける。夜の中に予め造りおほせんとせしに、鶏の鳴く真似をし給ひければ、さては夜の明けたるならんと、鬼ども逃げ去りぬ。」
『彦山見聞記』より
英彦山南岳の中腹に“材木石”と呼ばれる奇岩があります。
材木石は鬼たちが住まいを造ろうと集めたもので、英彦山権現様が真似た鶏の鳴き声を夜明けと思って、
未完成のまま逃げ去った名残だという伝説が残されています。
まるで材木が縦にならんだように見える岩なのですが、溶岩が急に冷やされてできた柱状節理という現象。
昔の人は想像力が豊かだったのですね。
南岳には「鬼杉」と呼ばれる、高さ38M、胴回りが10M、樹齢1200年の巨大な杉がそびえています。
林野庁が定めた『森の巨人たち100選』に選ばれたほどの名巨木で、かつては60Mもあったそうですが、
折れて半分ほどの高さになってしまったとはいえ、それでも福岡県最大の杉です。
この鬼杉は、鬼たちが退散するときに突き刺した杖が伸びたものといわれています。
英彦山には、英彦山神宮を中心に鬼門(北東)の方角に天狗を配置し、
裏鬼門(南西)に鬼を置いて山の護りとしたという説があります。
天狗や鬼といった強い存在によって、外部から侵入する災いを防ごうというものだったのでしょう。
それを聞くと、英彦山で行う節分では『鬼は外』とはなかなか言いづらいですね。