本日の高住神社の状況です。
◆曇り
◆20℃
神社の案内状や掲示物を作成するとき、季節感を感じる色味を使うよう心がけています。
デザインで参考にするのがカラーコードという色見本表なんですが、カタカナの色ではなく漢字で書かれた日本の伝統色を使うようにしています。
日本の色彩は想像以上に豊かで、染料の限られた時代にこれほど多彩に色別されていることにすら驚きなんですが、風流な呼び名だったり、わずかな色の違いで別の色扱いしていたりと、繊細で情緒ある伝統色の面白さに魅かれるというか。
花の名前、実、葉、樹皮から、鳥類・鉱物と身近なものから名づけられた色名がほとんどですが、紫陽花色はあるのかなと調べてみると、意外とないものなんです。
アジサイは色変化する花だからでしょうか、玉虫色とまではいかなくとも移り気なイメージがあるから、これという色が定着しなかったのかなと勘繰ってしまいますが。
あえてあらわすなら「紅碧(べにみどり)」。
紅でもなく碧でもなく、少し紫がかったくすんだ淡い青のことですが、ヤマアジサイにはしっくりこない色名ですね。
青藤色とか淡藤色とかもありますが、別の花の色で例えるのもなんだかアジサイに悪い気もします。
ヤマアジサイはヤマアジサイの色でいいのかも知れません。
鮮やかすぎず良い意味で地味、けれど組み合わせによってしっかりと主張してくるのが日本の伝統色の良さ。
濡れた青葉と淡青紫色の花の色彩は、梅雨曇りに暗く落ち着いた沢に良く合い、それでいてとても映えます。
我々の目に馴染むのは見慣れたこの国の風土の色であり、お便りを通じてその色彩と風を感じてくれたらと思ってます。
あとしばらくはヤマアジサイが楽しめますので、目と心に残してくれたらと思います。