
水底を水の流るる寒露かな 草間時彦
里山の小川か用水路か
いずれにしても身近な水の流れがある
澄み切った空気の中
水底を眺めていると
澄んだ水に現れる小石や小動物が見える
それらは間違いなく流れる水に抗らったり身を委ねたりする
作者は水底の水流を見逃さば買った
(小林らけし)
【寒露】 かんろ
二十四節気の一つ。10月8日、9日頃に当たる。露が寒冷に会って凝結する意。露は結び始めは涼しげ、やがて冷たく、終には肌寒さを感じさせるようになる。
例句 作者
切口の白き粗朶積み寒露の日 橋本春燈花
茶の木咲きいしぶみ古ぶ寒露かな 飯田蛇笏
暦はや寒露の蘭の花の濃し 三田青里
汲み置きの水平らかに寒露の日 角川照子
道傍の竹伐られたる寒露かな 星野麦丘人
暁闇の寒露へ向かふ父系かな 佐藤晴峰
老猫の眼あけて座る寒露かな 北原志満子