「風ですか」「光ですね」とえのころ草 宮崎斗士
狗尾草は猫じゃらしのこと
作者は「えのころ草」と表意している
狗尾草とも猫じゃらしとも
表意しないところにも作者の工夫がありそうだ
見事な擬人化である
(小林たけし)
【狗尾草】 えのころぐさ(ヱノ・・)
◇「猫じゃらし」
イネ科の一年草。「えのころぐさ」と読む。粟に似て小さい緑色の穂をつける。その穂を子犬の尾に擬した名。子猫をじゃらせるので、「猫じゃらし」とも。
例句 作者
「風ですか」「光ですね」とえのころ草 宮崎斗士
えのころやまつわる犬はもういない 小林緑
ねこじゃらしの考える首霧の中 板垣好樹
ねこじゃらし誰か遊んでくれないか 鈴木砂紅
ねこじゃらし騙しだまされ 耳順かな 金田めぐみ
ねこじやらしひと生きること匂うこと 松田ひろむ
はだか馬と一緒になつてねこじゃらし 増田豊子
みづうみのやうにゑのころ草が透け 市川薹子
ゑのころに印南野は山遠きかな 榎本享
エノコロ草拔いて話の間を持たす 足立雅泉