竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

勾玉の中に醒めたる秋の雨 高野ムツオ

2021-10-15 | 今日の季語


勾玉の中に醒めたる秋の雨 高野ムツオ

勾玉は古墳時代のコンマ型の装飾品のこと
雨粒のかたちも伺えるが
句意の勾玉は、その時代の象徴のことだろう
作者は時空を超えて海女の中にゐた
(小林たけし)

【秋の雨】 あきのあめ
◇「秋雨」(あきさめ) ◇「秋霖」(しゅうりん) ◇「秋霖雨」(しゅうりんう) ◇「秋黴雨」(あきついり)
秋季の雨の総称。秋の雨はどこかうそ寒く、沈んだ気分を誘う。冷え冷えとして、なかなかあがらず火鉢が欲しくもなる。9月中旬から10月半ばまでの秋の長雨を「秋霖(しゅうりん)」というが、じとじとと降り続きうっとうしい感じである。

例句 作者

口中の暗き甲冑秋ついり 宮坂市子
待ちぼうけ少年秋の雨に濡れ 宇野泉
暑くもなし寒くもなくて秋の雨 末広鞠子
棗はや痣をおきそめ秋の雨 富安風生
江東区は存して秋の雨波紋 古沢太穂
灯の隈に秋雨ひそめり深く降る 鈴木詮子
烏賊舟の数珠(じゆず)火かき消す秋驟雨 文挾夫佐恵