竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

薪能夜叉になるまで足鳴らす 中島道子

2020-05-11 | 今日の季語


薪能夜叉になるまで足鳴らす中島道子 

作者の観た実景だろう
漆黒の闇に浮き上がる能舞台
演者は舞の佳境に入り床板を激しく踏み鳴らす
いつか演者の舞は夜叉の舞に変わっていた
(小林たけし)


【薪能】 たきぎのう
◇「若宮能」 ◇「芝能」
神事能の一。薪の宴の能の意という。陰暦2月の興福寺の修二会に、南大門の芝の上で四座の大夫によって行われた能楽。明治維新後中絶していたのを戦後復活したもので、5月11、12日に行われている。現在では神事をはなれて、夏に観光用に薪能を催すところも多くなった。

例句 作者

弁慶になりきって出る薪能 深見東州
怨霊にひたと影寄る薪能 亀田蒼石
混迷の床踏む音や薪能 北村純一
熾る火に向かう面や薪能 渡辺和弘
生きるとは美しき舞薪能 北村純一
白髪のときに炎のいろ薪能 児玉輝代
薪能面は火炎の上を過ぐ 長谷部雉子
鼓うてば闇のしりぞく薪能 石原八束


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