竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

たつぷりと泣き初鰹食ひにゆく 宇多喜代子

2020-05-09 | 今日の季語


たつぷりと泣き初鰹食ひにゆく 宇多喜代子

現代の俳壇の第一人者といわれている作者に
この句があるのは驚きである
秀句とは何か
は俳人の等しく悩むところだが
第一人者にはその苦労はないようだ
俳句は自得の文芸だとこの句は教えているようだ
掲句は作者のある日の実体験だと思いたい
初鰹は少々の悲しみで食い損なうわけにはいかないのだ
(小林たけし)


【初鰹】 はつがつお(・・ヲ)
サバ科の魚。毎年黒潮に乗って北上し、遠州灘を越えて、若葉のころ房総や伊豆半島に現れる。このころ最初に捕れる鰹を初鰹と呼ぶ。初物好きで、生きのよい江戸っ子気質に合っていたため、「勝魚」とも書かれ、江戸時代には特に珍重された。《鰹:夏》

例句 作者

初鰹観世太夫がはし居かな 蕪村
断つほどの酒にはあらず初鰹 鷹羽狩行
雨ざつと来てさつと去り初鰹 太田寛郎
目には青葉山郭公初鰹 素堂
鎌倉を生て出けむ初鰹 芭蕉
初鰹糶の氷片とばしけり 皆川盤水
初鰹はるかな沖の縞を着て 澁谷道
初鰹祖母が最後に笑った日 なつはづき



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