たつぷりと泣き初鰹食ひにゆく 宇多喜代子
現代の俳壇の第一人者といわれている作者に
この句があるのは驚きである
秀句とは何か
は俳人の等しく悩むところだが
第一人者にはその苦労はないようだ
俳句は自得の文芸だとこの句は教えているようだ
掲句は作者のある日の実体験だと思いたい
初鰹は少々の悲しみで食い損なうわけにはいかないのだ
(小林たけし)
【初鰹】 はつがつお(・・ヲ)
サバ科の魚。毎年黒潮に乗って北上し、遠州灘を越えて、若葉のころ房総や伊豆半島に現れる。このころ最初に捕れる鰹を初鰹と呼ぶ。初物好きで、生きのよい江戸っ子気質に合っていたため、「勝魚」とも書かれ、江戸時代には特に珍重された。《鰹:夏》
例句 作者
初鰹観世太夫がはし居かな 蕪村
断つほどの酒にはあらず初鰹 鷹羽狩行
雨ざつと来てさつと去り初鰹 太田寛郎
目には青葉山郭公初鰹 素堂
鎌倉を生て出けむ初鰹 芭蕉
初鰹糶の氷片とばしけり 皆川盤水
初鰹はるかな沖の縞を着て 澁谷道
初鰹祖母が最後に笑った日 なつはづき
初鰹観世太夫がはし居かな 蕪村
断つほどの酒にはあらず初鰹 鷹羽狩行
雨ざつと来てさつと去り初鰹 太田寛郎
目には青葉山郭公初鰹 素堂
鎌倉を生て出けむ初鰹 芭蕉
初鰹糶の氷片とばしけり 皆川盤水
初鰹はるかな沖の縞を着て 澁谷道
初鰹祖母が最後に笑った日 なつはづき
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