草紅葉縁側のすぐざらざらに 波多野爽波
縁側は、こまめに掃除せず放っておくと、
頻繁に上がってくる人のこぼした砂や土埃で、すぐ、汚れてしまう。
そのさまを、
「ざらざらに」という触覚性リアルな言葉で表現した。
日常の光景から、実存の深みまで
感じさせてしまうのが、爽波俳句の特色である。
荒涼とした手触りの世界の外界には、
色づいた秋の草が生々しいまでに、その色彩を訴えかけてくる。
『骰子』(1986)所収。(中岡毅雄)
草紅葉ふいに現る滝見台 たけし
草紅葉媼の電動車椅子 たけし
伊達もんの考のステッキ草紅葉 たけし
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