竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く 伊藤政美

2019-08-21 | 今日の季語


大根蒔く来年も蒔く死ぬまで蒔く 伊藤政美

初秋の季語「大根蒔く」
絶滅しそうな季語だが
現代俳句協会のデータベースに1句だけ例句があってほっとした

掲句の句意は作者の深い祈りに似た思いを感じる
父祖から引き継いだ田畑
いのちあるかぎり守ろうとの気概もあらわだ

引き継ぐ次代への危惧もありそうだ (小林たけし)



【秋蒔】 あきまき
秋に植物の種子を蒔くこと。冬や春に収穫する野菜の種は8月中旬から10月に蒔く。秋に種を蒔くものとして菜種、大根、芥菜、芥子、さらに田の肥料となる紫雲英(れんげ)などがあり、それぞれ「蒔く」の語尾をとり、「菜種蒔く」「大根蒔く」「芥子菜蒔く」「芥子蒔く」「紫雲英蒔く」として季語となっている。

例句 作者

うしろから山風来るや菜種蒔く 岡本癖三酔
大根蒔くうしろの山に入る日かな 赤木格堂
峡の田にひとりとなりて紫雲英蒔く 森戸山茶花
大根蒔く短き影をそばに置き 加藤知世子
黒潮の黒の深まり菜種蒔く 延平いくと
菜種蒔くかそかなる音地に籠る 田中茅洋
秋蒔きの種子とてかくもこまかなる 能村登四郎
秋蒔きの土にやさしく月さしぬ 菅原鬨也
大根播く光の粒をこぼすかに 西尾玲子
天命の余白に大根蒔かんかな 清水能舟





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