竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

六月とは遠くの牛の傾きなり 塩野谷仁

2020-06-01 | 今日の季語


六月とは遠くの牛の傾きなり 塩野谷仁

通常、肉牛は24か月で出荷されるという
掲句の牛は震災後の東北の肉牛の相場の下落のことだろうか
傾き が何を意味するかは読者に委ねる作者の意図がうかがえる
あの憂いじみた牛の涙目がたまらない
殺処分になった牛の数も夥しい
野性化した牛もいたという
どうした観方をしても牛は傾いてみえる
(小林たけし)

六月】 ろくがつ(・・グワ・・)
6月は俳句の上では仲夏になる。緑も深まり、夏らしさが目について来ると同時に梅雨入りの時期でもある。

例句 作者

六月のしあわせ集む孫の婚 松本夜誌夫
六月のピアノを置いて嫁ぎゆく 松岡耕作
六月のメタセコイアの雀たち 崎元風骨
六月の女すわれる荒筵 石田波郷
六月の富士よく見えてこころに師 火野保子
六月の母の真珠の重かりき 小川葉子
六月の沼に浮かびし杭の先 福島知子
六月の海の碧さにポスト塗る 高篤三
六月の海原に玉沈めんか 原裕
六月の真夜の家裂く金の馬 金子皆子
六月の眩暈のような箱届く 服部修一
六月の背広に古きティッシュかな 松本勇二
六月の雪に憩ひぬ裏普賢 水谷柳之


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