竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

二つ三つ身をよじらいて梅雨蛍   法夢子

2014-07-11 | 
二つ三つ身をよじらいて梅雨蛍 法夢子





梅雨明けも近くなると蛍の盛りは終わりのようだ

わが町では蛍復活への取り組みがさかんで

今年はその成果がでたようだが

すでにその数は少ない

よくみれば弱い光がふたつみっち

風鈴やだあれもいない夕まぐれ    法夢子

2014-07-10 | 入選句
風鈴やだあれもいない夕まぐれ  法夢子





一人の時間が増加している

一人で過ごす空間がめだって多い

あながし不都合というわけでもなく

所在なく時がながれていくのが悪くない

思い出したように風鈴が音を鳴らせば

申し分なし


入選 2014/8/14  朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選

白南風や浜に残りし椅子二脚  法夢子

2014-07-09 | 
白南風や浜に残りし椅子二脚  法夢子







梅雨が明けると海は波が高くなり土用波だ

この頃吹く風は白南風と呼ぶのだとか



夏の終わり

浜には砂に埋まりそうな椅子が残っている

若者どもの夢のあとか

傲慢は備えの術や青大将  法夢子

2014-07-08 | 
傲慢は備えの術や青大将  法夢子





燕の巣をおそったりする蛇が

庭にどうも多数棲息しているらしい

先日は玄関ポーチにゆうゆうと全身を晒していた

タイルの冷たさに寛いでいたのか



蛇は手足を不用とする地上の生物の中では最大だろう

みみずやなめくじには比べようもない



その態度は傲慢でさえある

怖じる気配はまず見せない

いつも無防備で悠然としている

そして神出鬼没

抜け殻を残したりしてどこかで人を観察しているかもしれない

傍目など気にせぬ強さ羽抜鳥 法夢子

2014-07-07 | 
傍目など気にせぬ強さ 羽抜鳥 法夢子






なんとも妙竹林な無様な羽抜鳥だが

着飾ったり気取ったりするエネルフィーを超越した

境地に生きている達者かもしれない



傍目を気にせず己の思うままに生き通す

これほど確かに強い生き方はあるまい

深海も異常なりけり漁に奇魚  法夢子

2014-07-06 | 
深海も異常なりけり漁に奇魚  法夢子







地球が異常気象といわれても珍しくない

地表は酷暑が大空の高きにはとんでもない寒気

空気の対流はその強度も速度もかってないもの

地震/竜巻/水害が全世界で多発している



深海魚が打ち上げられたり網にかかったり

何万年という平穏だった深海も慌ただしい?

溶け込みし一鵜飄然奥只見 法夢子

2014-07-05 | 
溶け込みし一鵜飄然奥只見 法夢子






福島はフクシマとすると被災地になるのだという



只見川の上流を訪れた

そこには変わらない大自然がそのまましっかりと根付いていた

早朝外に出ると

ゆるい流れの只見川に群れをはなれた鵜が一羽

飄然と佇んでいた 神々しくさえも見えた


かの人を叫んだ記憶夏怒涛  法夢子

2014-07-04 | 
かの人を叫んだ記憶夏怒涛  法夢子






竹とんぼ例会だより第10回」Vol.6

ブログ管理者の法夢子です

兼題「恋」に七転八倒 遠い記憶を遡ってひねりました



表題句は夏の荒れた海

話す言葉もかき消える強い風

名を叫んだような記憶がある

原句は 溺れても悔いぬ恋情夏怒涛





エピローグ青田の渕に住まいたり  法夢子


横浜に生まれて東京/静岡/北海道/栃木に居住した

仕事は30種類を経験したり

全速の駆け足のような人生

現在は青田が眼前の地に住んでいる

これは人生「振り出し」ということかもしれない





かたつむりゴールのあとの余生かな  法夢子


蝸牛をみているとゴールを過ぎた選手のようだ

ただ流して進んでいる

まてよ 蝸牛はみな現役を辞したリタイア組

余生をゆっくりと消化しているのかもしれない

原句は かたつむりゴールはすでに通りたり