冬や今年我病めり古書二百卷 子規 2017-01-11 | 子規鑑賞 冬や今年我病めり古書二百卷 子規28才 冬に病む 挫け心は子規には微塵もない 古書300巻を我が物にせんとの気概さへ感じる 病床だからこその読書三昧 そして知識の集積と研鑽 密度の濃い時間はゆるぎない (丈士)
音もなし冬の小村の八九軒 子規 2017-01-10 | 子規鑑賞 音もなし冬の小村の八九軒 子規28才 余分な言葉、説明の一切ない描写だ 「冬の小村」ですべてが足りる 冬という一文字ひと言が重い 座語の八九軒もいらないくらいだ (丈士)
大男さまにならない日向ぼこ たけし 2017-01-09 | 入選句 大男さまにならない日向ぼこ 日向ぼこ この季語を用いてい何度もトライしてみるが 思うようにいかない 昔からたくさんの例句があるのでほとんど類想類型になってしまう エイヤッのつもりの一句が評価された 老人はみな小さくて寂しそう しんな老人がよりそうように笑顔を並べて日向ぼこ その中になんとも大柄な男がひとり どうにも不似合いだ 当分「日向ぼこ」の俳句はつくるまい 【日向ぼこ】 ひなたぼこ◇「日向ぼこり」 ◇「日向ぼっこ」 冬季の日光浴。日の短い冬に日当たりのよいところで暖をとることをいう。 入選 2017/1/9 朝日俳壇 長谷川櫂
冬の野ら犬も喰はさる牛の骨 子規 2017-01-08 | 子規鑑賞 冬の野ら犬も喰はさる牛の骨 子規27才の作 冬の野ら犬も で八音 喰わざる で四音 牛の骨 で五音 私の知っている子規の句にはなかなかない発見だ この破調が野良犬と冬ざれの荒野に相応しいのだろうか また犬にも食わrw内牛の骨 おそらくは肉片の欠片もないのだ この骨もまた寂しく悲しい 子規の心根を覗いてみたい (丈士)
嶋原や笛も太鼓も冬の音 子規 2017-01-07 | 子規鑑賞 嶋原や笛も太鼓も冬の音 嶋原は幕末の騒乱期にあった京都の遊郭地のこと 笛や太鼓は本来にぎやかしいものだが 冬ざるる空気にふるえる音は 遊女の心根もあり 虎落笛のように子規はとらえたのだろう 一切を省略して「冬の音」と断定している (丈士)
青々と冬を根岸の一つ松 子規 2017-01-06 | 子規鑑賞 青々と冬を根岸の一つ松 子規27才 寒風のなかに青々と松の木が一本 冬の厳しさをなんともしない力強さを詠んだのか このころの子規の青年の意気を感じさせる 一本松では口語になるのを嫌ったようだ 東日本大震災の松は青くはないが (丈士)
都にも冬ありされど酒もあり 子規 2017-01-05 | 子規鑑賞 都にも冬ありされど酒もあり 子規26才 松山生まれの子規は東京育ちの漱石の刺激もあって 東京へは青年期の渇望があったことは容易に想像Ⓢれる 憧れや羨望は近くになれば薄らいで その只中に入れば現実に覚まされる 子規は冬の寒さをひとしお強く感じたのだろう 故郷の酒には適わないまでも酒はあるとした 寂しさの中での若い子規の激しさを感じる句ではないか (丈士)
きぬぎぬの鴉見にけり嵯峨の冬 子規 2017-01-04 | 子規鑑賞 きぬぎぬの鴉見にけり嵯峨の冬 子規26才の作 26歳の子規の恋人を思わずにはこの句は読めない 明鴉の取り合わせには苦笑を禁じ得ないが (丈士) きぬぎぬを調べると下記の解説である きぬ ぎぬ 【衣▽ 衣▽・〈後朝〉】 ① 男女が互いに衣を重ねて共寝した翌朝, 別れるときに身につける,それぞれの衣服。 「しののめのほがらほがらとあけゆけばおのが-なるぞかなしき/古今 恋三」 ② 相会った男女が一夜をともにした翌朝。また,その朝の別れ 。ごちょう。こうちょう。 「 -の濡れて別れし東雲ぞ/宇津保 国譲上」 ③ 夫婦の離別。 「この如くに-になるとても, たがひにあきあかれぬ中ぢやほどに/狂言記・箕かづき」 こう ちょう -てう 【後朝】 ① その翌朝。明くる朝。ごちょう。 ② 男女がともに寝た翌朝。ごちょう。きぬぎぬ。 「 -の心をよめる/金葉 恋上詞」
はげそめてやゝ寒げ也冬紅葉 子規 2017-01-03 | 子規鑑賞 はげそめてやゝ寒げ也冬紅葉 子規25才 明治24年の作 若年期らしい言葉をかざらないところが好ましい はげそめる この通常では用いることのない言葉が効いている この冬紅葉のはじまり以外にそぐう選択は思いつかない (丈士)
のら猫の糞して居るや冬の庭 子規 2017-01-02 | 子規鑑賞 のら猫の糞して居るや冬の庭 明治32年 子規33才 『俳諧大要』刊行。 子規庵で歌会再開,以後定期的に開催する。 病状悪化 『俳人蕪村』刊,病室の障子をガラス張りにする。
山茶花に新聞遅き場末哉 子規 2017-01-01 | 子規鑑賞 山茶花に新聞遅き場末哉 明治31年 子規32才 子規庵で蕪第一回村句集輪講会を開催 『歌よみに与ふる書』連載開始 「百中十首」を発表 子規庵ではじめての歌会。 『新俳句』刊。 「ほとヽぎす」を東京発行に切り替える。 第ニ回の蕪村忌を子規庵で開催