映画『天地明察』。いい映画だな。とてもいい映画だと思う。
登場人物のキャラが、脇役も含めて皆それぞれ効いていて見事!安井算哲の岡田准一もいいし、算哲の妻の宮崎あおいさんも、いつもの宮崎あおいさんだ。絵も無駄がなく、始まってすぐ引き込まれ、最後まで気が散ることがない。それもそのはず、監督は『おくりびと』の滝田洋二郎で、安心して観ていられる。ところどころユーモアを含んだシーンに観客からクスクスと笑いが漏れる。
囲碁のシーンも興味深い。NHKの日曜日の囲碁フォーカスに出演している「きたろう」さんが算知役で出てきた時には思わずのけぞってしまった(^^; それに算哲の初手天元に対し、道策の第二手が、石を隅に打ち下ろした後ツツーーと滑らせて天元の石の横にピタリと付けるあたりも、やってくれるね~という感じだ。二人とも囲碁の経験がないはずなのでかなり練習したに違いない(でもよく見ると打ち下ろした後の石の安定感がやや怪しかったりするのだが)。
この映画、急に観たくなって、退社後、夜の部に飛び込んだ。こんなに巨大なスクリーンで観るのは何年ぶりだろう。子供は「バイオハザード」の方に入るのかもしれない。「天使明察」はスカスカで、全席指定、二階席の最前列ど真ん中だ。子供もいないし、エンドロールでも席を立つ人がいなくて気持ちがいい。
「批評」は置いておいて、楽しんでいただきたいお勧め映画である。