誠文堂新光社が発行している「囲碁」という月刊誌がある。
この雑誌で、1月号から女流プロとアマが互先で打つという企画が始まった。アマといってもプロを目指したことがあるようなかなりの強豪である。前年は「打込み12番勝負」ということで負けると手合い(ハンデ)が変化する方式で6勝6敗の五分に終わった。互先ではプロは意地でも負けられないだろう。12人の女流プロのトップバッターは、加藤啓子6段である。プロはアマの強豪に対してどのように勝ちに行くのか。この企画、目が離せない。
ところで、囲碁を人と打つ時、自分の棋力が何級・何段なのかをあらかじめ免状をとるなどして明らかにしておきたいという気持ちがある。
ところがこの段級位の基準が明確でないのだ。
日本棋院では、以下の方法で免状を取得できるとしている。
(1)プロ棋士の推薦
(2)日本棋院の支部会員が、支部長の推薦を受ける
(3)日本棋院が主催・共催・後援する大会や認定大会等で所定の成績をおさめる
(4)雑誌・新聞等・インターネット等で実施している認定試験に合格する
(5)囲碁通信講座の受講生として認定試験に合格する
要するに、大体こんなもんだろうということで免状・認定されている訳で、「このレベルになったら○段」などという絶対的な基準はないことになる。甚だしいのは(4)の雑誌・新聞等の認定試験で、例えば、たった10問程度の問題に答えれば6段までの免状がもらえてしまうのだ。問題はけっこうやさしめにできている。免状を取得するのは、この方法が一番多いはずで、日本の段位はかなりインフレになっているのが実体である。
あれ?と思うのは、外国の人と対戦する時だろう。当然のことながら日本の段位と外国の段位の基準は異なるので、日本のレートで3段・級くらい下げて対戦する必要があるというのを見かけた。特に「日本の五段と韓国・中国の初段が対等」と言われているという。