コーヒー豆にゲイシャ種というのがある。
2004年にベストオブパナマというオークションでラ・エスメラルダ農園の豆が高値をつけて注目されるようになった。独特のフルーティな香りが注目されたようだが、苦みとこくに欠けるので、美味しいと感じるかどうかは個人の好みになる。沢山のコーヒー豆の種類があるが、ゲイシャ種だけは他と異なる個性が際立っているようだ。
田口氏の「スペシャルティ大全」によると、ゲイシャ種は、1931年にエチオピアで発見され、1953年にコスタリカに渡った。それを、パナマのドン・パチ農園が1963年にコスタリカの研究所から持ち込んだという。ただ、エスメラルダ農園のゲイシャ種は、これと豆の形も異なり、持ち込まれた素性が分からないらしい。
パナマには、「エスメラルダ」、「ドン・パチ」、「ママカタ」という、パナマ3大ゲイシャ農園と呼ばれる農園があって、パナマのチリキ県ボケテ地区にある。日本でも「エスメラルダ」はオークションでいくつかの会社が輸入しているし、「ドン・パチ」はカフェ・バッハが、「ママカタ」は丸山珈琲が、輸入してお店で淹れたり豆として販売している。
それぞれ一度は飲んでみたいところだ、
「ママカタ農園」のゲイシャは、先日、丸山珈琲の店頭で見つけ買ってみた。クリーンで雑味のないフレンチプレスで美味しく飲めるさわやかな豆だったと思う。
「ドン・パチ農園」は次回カフェ・バッハに行った時に飲んでみたい。
で、「エスメラルダ農園」のゲイシャだが、何社かの焙煎業者が販売しており、価格も異なる。「エスメラルダ農園」のゲイシャと看板にあっても、豆にいくつかのグレード(標高で1850m、1500m以上などの別がある)がある。オークションで注目されたのは、チリキ県ボケテ地区のハラミージョ・マリオ地区の豆らしい(地図で東:つまり右のエリア←地図見てね)。でこの地区にも、サンホセ、カーナバル、パスクアという収穫月の別があるという(順に、3月、2月、4月)。豆の処理もナチュラルやウォッシュトの別がある。
そこで面白いのが、エスメラルダ農園のホームページ。ここに、過去のオークションでの集札者、落札価格、量、豆のグレードなどが一覧表に掲載されている(現時点では2013年まで)。日本の業者の販売ページでは、単に「エスメラルダ農園のゲイシャ」とだけ書いて売っているところが多いけれど、ここを見ると豆のグレードや収穫地域が一般の人にも分かる。