横浜市民防災センターを視察

2013年03月06日 | Weblog
◎平成25年度予算案に横浜市民防災センターの再整備事業の基本設計が示されている事から改めて視察を行いました。



東日本大震災から2年を迎えようとしています。

先日、「遺体 明日への十日間」という映画を見るために、映画館に足を運んできました。この映画は、一人のジャーナリストが、実際に被災地の廃校を使用した“遺体安置所”で目撃し、取材した事実を基に、報道が伝えきらなかった事実を描いたものです。

3・11を前に意を決して時間をつくり、決して風化してはならない、あまりにも辛すぎる事実に対して、あへて正面から向かおうと。

そして、改めて被災され亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、「生き残るための対策」の重要性を強く感じました。


横浜市における地震災害想定の結果が昨年10月に公表されましたが、もし元禄型関東地震が再来した場合、建物倒壊で1695人、火災延焼で1548人、市内で約3.263人もの方が亡くなるという試算がされています。

東日本大震災からの教訓から、これまで地域防災拠点、帰宅困難者への対策、津波避難対策などに取り組んできましたが、これらの対策は当然必要で、引き続き推進が行われるべきですが、備蓄したペットボトルの水も「生きていればこそ」口にすることができるのです。

やはり、第一義として求められることは、「人を災害で死なせない」こと。「人が死なない防災」が求められます。




横浜市では、地震防災戦略の概要素案についての市民意見募集を、先月行いましたが、その中では「被害を最小限に抑える」「発災時の混乱を抑え、市民の命を守る」そして「被災者の支援と早期復興を図る」という3つの基本目標を定めて、

その目標を10年間で達成するとしています。

生き残るためのあらゆる自助・共助・公助が連動した施策展開が必要になります。中でも日頃の備えをする事、訓練や体験は力となります。

そこで、神奈川区にある市民防災センターでは、減災に向けた取り組みを更に推進するための、減災行動の理解の促進や、知識の習得はもとより、減災行動の体験研修ができる施設の充実を目指し再整備の基本設計が行われます。



消防出初式が行わる施設ですが、改めて視察にお伺いし地震体験なども行ってまいりました。

現在の施設は、「災害を知る」「災害を体験する」「災害に備える」の3つの展示ゾーンと救急救命・ライブラリーコーナーに分かれており、誰でも自由に見学できるようになっています。

館内に入ってすぐには、神奈川大学の学生さんが描いた津波6メートルがわかる壁画があります。また災害劇場・地震体験・煙体験・暗闇体験・消火器の使い方訓練などの体験ができます。

この市民防災センターは、横浜駅周辺の地下街・高層ビルなどにおいて特殊災害が発生した場合に備えて消防力を配置するとともに、平時には市民防災教育の場として、救護・給食・給水及び備蓄物資の放出等救援活動の拠点となります。

今回の再整備事業は、より充実した機能を備え「死なない防災」の訓練、体験がおこなえる施設となる事が望まれます。