今日、近所の路地で50歳くらいの女性が自転車のハンドルを握ってかるく自転車を引きながら振り向きざまに友達の女性に「じゃあまたね」と挨拶した。
そして、50歳くらいの女性は前方に向き直って本格的に自転車を発進させようとした。
そこに70歳くらいのおばちゃんが通りかかった。
50歳くらいの女性は後ろを振り向いて友達にあいさつした直後に自転車を発進させようとしたので、一瞬、その女性の自転車の前輪が、70歳くらいの女性が歩く進行方向をさえぎる形になってしまった。
70歳くらいの女性はその瞬間にしかめっ面をして「ちょっと、あんた、危ないねえ」と50歳くらいの女性に言った。
50歳くらいの女性は「あっ すみません」と言って、その勢いで自転車を発進させて、路地を曲がっていってしまった。
70歳くらいのおばちゃんが「ちょっと、あんた、危ないねえ」と言ったときはまだ、50歳くらいの女性が自転車を発進させる前の段階だった。
第三者の目から見ると、70歳くらいのおばちゃんは、危ないから腹を立てたと言うよりも、後ろを振り返って自転車のハンドルを引いている女性に進路をさえぎられたことに腹を立てたというように思える。
まあ、男と女では身体能力が違うから、おばちゃんは、本当に危ないと思ったのかも知れないけれど、、、。
でも、僕の目から見ると、振り向きざまに友達に挨拶して自転車を発進させるって女性なら日常的にすることのように思える。
まあ、「あんた、あぶないねえ」と言った方は短時間で忘れてしまっても、言われた方は、その日、一日気分が悪いという典型的なパターンだった。
本当に言われた女性に、同情してしまう。
まあ、言われた女性も、ご主人や、友達に、エピソードを聞いてもらったりしてすっきりしてほしいものだとしみじみと思った。
まあ、ありがちな話でもあるので、人に話さなくても、翌日には忘れるかもしれないけれど、、、。
自転車の前輪が自分の進路をふさぐ形になったら、止まって待っていればいいだけの話だけれど、歳をとってくると、その止まって待っているという筋力もややもすると衰えてしまって、身体にも気持ちにもゆとりがなくなるということがあるかもしれない。
しかし、路上で、久々にこわいおばちゃんを見たなあと思った。
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学生の頃、喫茶店に友達とつるんで行った帰りに、狭い路地をその数人の友達と歩いていて、路地をふさいでしまっていたことがあった。
そこに、そこそこ高級車に乗ったおばちゃんが通りかかった。
おばちゃんは自動車から降りてきて
「ちょっと、あんたたち、こんな狭い路地を、そんなに広がって歩いてたら、車が通れないじゃないの、脇へよけなさい」とプンプン怒りながら言った。
まあ、ご道理ごもっともなので、僕たちは、道路の脇に移動して、そのおばちゃんが自動車で走り去っていくのを見送った。
その自動車のテールを見ながら、友達の一人が
「へたな運転だなあ。こんな直線の道をあんなに低速で走ってるのに、車が蛇行してるやん」と言った。
見ると確かに車は蛇行していた。
路地の壁に車体をこするんじゃないかと思ったけれどそれは大丈夫だった。
ただ、友達の一人が「へたな運転だなあ」と言った時の言葉の響きは今も僕の心の中に残っている。
こわいおばちゃんは時代がかわってもかわらないなあと思う。
まあ、それはともかく、毎日無事にすごせますように、それを第一に願っていきたいと思う。