何日か前に、コンビニの店員の女の子の手がたまたま僕のお尻に当たってしまって、その子は「手がお尻に当たってしましまいました。ごめんなさい」と僕に言った。
あの子、感じのいい子やなあと僕、その時、思った。
そのことを思い出して、あの子のいるコンビニに行くかと思って、コンビニに行って、ヨーグルトドリンクを買った。
こんばんは と僕はその子に言ってお勘定を済ませた。
コンビニの外でマスクを外して、そのドリンクを飲んでいると「すみません」と声がした。
横を向くと、その店員さんが「よく見たら一円余分にありました」と言って僕に一円玉を差し出した。
「あっ ほんま?」と言って僕はその一円玉を受け取った。
やっぱりあの子、感じええわ と思ってニヤけながらドリンクの残りを飲んだ。
残りを飲み終わって正面を見ると、そこに軽自動車が止まっていて、運転席に、女の子が乗っていて、“”このおっさん何をニヤけてるんや“”という感じの顔で僕の方を見ていた。
多分、一部終始を見ていたのだと思う。
しまった。ニヤけるのは一瞬でやめるべきだったと後悔した。
年をとると顔の筋肉が緩んできて一回ニヤけると止まらなくなってしまう。
おじさんが鼻の下を伸ばすというのはあるいはそういうことを言うのかもしれない。
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今日の新聞にこんな川柳が載っている。
“”陣痛に右往左往の若亭主“”
まあね、男はいざというときに案外弱い。
井上陽水さんの「夕立」という歌の歌詞にこんな一節がある
“”洗濯物が濡れるからと 女は引きつった顔で わめきまわる 転げ回る
男は どうしたことかと 立ちつくすだけ“”
夕立が来て、洗濯物を片付けなければと機敏に動くのは女性でこういうとき男は頼りにならない。
ただ、どうしたことかと たちつくすだけだ。
陣痛のときと基本的には同じパターンだ。
そういう様を、しっかりと捉えて歌詞にするところが天才か。
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数年前に、大相撲の確か敦賀での巡業であいさつした市長が倒れて、女性の看護師が心臓マッサージをして助かったことがあった。
あのとき大相撲の呼び出しの方が、「女性は土俵から降りてください」と言って物議を醸した。
そのときの映像を、当時ユーチューブで見た。
確かに看護師と思しき女性が二人ほど心臓マッサージをしている。
そして、その周りを数人の体格のいい男性が立って囲んでいる。
まさに立ちつくしているだけと言っても過言ではない。女性が心臓マサージをしているのに、男は何にもしていない。
井上陽水さんの歌詞そのまんまという感じ。
ただし、ユーチューブの映像をよく見ると、呼び出しの方が、「女性は土俵から降りてください」とアナウンスしたのは、心臓マッサージが一段落して、土俵の周りにいた他の女性たちが、私らも行って手伝わないとまずいとばかりに土俵に殺到しそうになったタイミングだ。
看護師の方が二人で心臓マッサージをしているときは呼び出しはなにも言わなかった。
「土俵から降りてください」と呼び出しが言ったことだけが独り歩きしていて、どのタイミングで言ったのかまでは議論になっていなかった。
そう言えば、女性は一人が発言すると、私も発言しなければ と思うから、女性が入ると会議が長くなる、という主旨の発言をして、女性蔑視で、オリンピック委員会を首になった、元総理大臣がいたっけ。
失言の多いことで有名な人だけれど、それでいて、どこか憎めないところのある人だなと個人的には思う。
それはともかく いちにち いちにち 無事にすごせますように それを第一に願っていきたい。