全長32キロの『二ヶ領用水』の名は、旧稲毛領と川崎領の二ヶ領の農地に水を引くために江戸時代初めに建設された人工用水です。用水は慶長14年(1611)に代官小泉次太夫によって完成しました。それまで、この二ヶ領は水利事情が不便で、水田工作による農業生産基盤が脆弱でした。二ヶ領用水完成により、米の収穫量が飛躍的に伸びたと伝えられています。百年後、欠損、荒廃が進んだ状況になりましたが、享保9(1724)年、本格的改修工事を経て現在にいたっています。明治以降は、横浜水道の開設(明治6年)などにより、飲料水、工業用水としても利用されました。また、生活用水としても、近年まで利用されていました。中野島から取り入れられた水は、紺屋前の堰に至り、ここから新田堀、高田堀、水車堀、東堀、鮒堀などに分かれて、登戸一帯の耕地を潤しました。堰の名として残る「紺屋」も用水を利用した藍染め屋が近くにあったことに由来しています。現在も、市北部では農業用水として、あるいは、環境用水として利用されています。
稲毛・川崎ニヶ領用水の開渠部の最下流の「二ヶ領用水余剰水取水口跡」から中野島と宿川原の多摩川の取水口まで遡ってみました。
先ずは「二ヶ領用水余剰水取水口跡」のある横須賀線新川崎駅からアプローチです。
そして300mぐらい離れた南武線鹿島田駅へ
この辺りの駅前はタワーマンションの高層ビルが建ち並び開発が進んでいます。
そして目指すは「FUSOグリーンガーデン」。
「FUSOグリーンガーデン」は、川崎市が管理運営する配水所の土地を有効活用するために整備された多目的広場。フェンスで囲われた芝生の広場の管理は、地元の大企業であるトラック・バス製造会社が担当しており、公園の名の一部には企業名称が使われています。芝生の広場は誰でも自由に出入りして遊んだり散策したりして楽しめれます。
そして対面に「ニケ領用水余剰水取水口跡」があります。意外と知られていない歴史遺産です。『二ヶ領用水』の川崎堀は南武線の平間駅と鹿島田駅の間の旧平間浄水場の横で、ここで大師堀と町田堀とに分かれます。
農業用水としても価値のある『二ヶ領用水』ですが、日本初の工業用水の取水口でもあったとの事です。稲毛・川崎二ヶ領用水余剰水取水口跡と書かれた解説板が設置されています。
右から左の流れが『二ヶ領用水』でしたが取水口になります。ここの主の鴨が遊んでいます。
『二ヶ領用水』のかなりの部分は現在暗渠化されてしまっているようで、この分水点以降の町田堀もその例外ではなく遊歩道になっています。一方の大師堀にはごく僅かながら流れを確認できます。
暗渠化された大師堀の上は親水公園の遊歩道となって散策を楽しめます。
遊歩道は府中街道を挟んで更に下流へ続きます。
続く、、、
ブログランキングに登録中です。ポチッとお願いします。
沖縄ランキング
にほんブログ村
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます