「校門の桜の花、満開じゃないですか?」
「はい、満開ですよ」
「そうでしょうね、匂いましたから」
これは、数年前に視覚障害の方との会話。
その時初めて桜の花が香ることをしりました。
でも、やっぱり私にはその微妙な香りをかぐことはできません。
匂いは記憶に残ります。
好きだった人の整髪料の匂い。
あこがれていた女性のコロンの香り。
今日はその匂いについて書かれた詩を紹介しますね。
カレーライス 草野信子
カレーライスを
ひとにめがけて
ぶっつけたことがある。
一瞬
泣きそうな顔をみせて
そのひとは
皿を拾い
ごはん粒を拾い
ごはん粒を拾い
胸のカレーを拭いた。
こするほどに
黄色い染みがひろがって
食べ汚した幼な子のようだった。
それから
ゆっくりと
トレーナーを脱ぎ
トレーナーを脱ぎ
裏返して
それを また
すっぽりと着たのだった。
記憶が匂いを放つので
カレーライスの日は
あの夜
私を送る電車の中で
「匂うね」
と 笑った人を
思い出す。
ひょいと
トレーナーを裏返せば
何もなかったのも同じ。
くらしとは
そのように
許すことなのだと
私にもわかった
いくつもの
いくつもの夕暮れの中で。
いかがですか、この詩。
私、好きですね。
デートしていて、何かひどく傷つくか、頭にきたのでしょうね。
で、食べていたカレーを思いっきり、彼にぶっつけた。
汚れたトレーナーを裏返し、「匂うね」と笑った人。
きゃ~こんな、ふところのでっかい男、そんなにいないって。
でも、思い出すって言うからわかれたんですね、その後。
う~ん、逃がした魚は大きいよ~。
阪神に行った金本兄貴。ガンバに行ったマグノ。
あ、それた、詩から。
人間で1番難しいのは、許すという行為と何かに書いていました。
そんなにトレーナーを裏返すようには、簡単には許せませんよね。
しかし、男性は女性と違って、許すという行為が簡単にできるものなんでしょうかね。
いやいや、そうとも限らない。
我が上司は・・・・。
男性、女性じゃなく、その人、個々の性格ですね。
いつまでも、許せずにいて、1番苦しいのは自分ですものね。
人に許してもらう事ばかり考えている私は、反省、反省!
広島カープ、3連敗。でも許してあげるからね~。
明日は頑張ってね~!
今日の私の小さな幸せ
雨がずっと降りました。
昼過ぎからあがりました。
でも、まだ桜が散っていませんでした。
よかった~。