愁思
仏教語で
「無常」
という言葉があります。
常ならず。
一生、同じ状態は決して続かないということ。
今朝、出勤すると
「いつもこのビルの中を掃除してくれている方が、昨日、亡くなったんだよ」
と、聞かされました。
木曜日、彼女がいつものように手際よくモップで廊下を拭かれていた姿が目に残っています。
彼女の事は、以前ブログで書いたことがあります。
「トイレの花」
(もし良かったら、読んでみてください)
トイレ掃除は特に気を入れて、念入りにお掃除されていました。
一段落すると、ポケットマネーで買われたお花をいけはじめます。
彼女の手で、さありげなくかざられた季節の花を見て、仕事で疲れた体や心を癒された人は多かったと思います。
その彼女が、仕事が終ったあと、更衣室で倒れ、翌朝、息をひきとられたそうです。
鏡も、洗面台も、トイレの便器も、いつもピカピカに磨き上げてくれていました。
彼女の仕事ぶりは
「仕事だから」
という域をはるかにこえていたようにさえ見えました。
無口で、他人とは距離を少しおいたような雰囲気のする女性でした。
朝から降り続く冷たい雨に、人の命のはかなさをつくづくと感じました。
トイレに行くと、彼女のいけた撫子の花が、枯れはじめていました。
お元気だったら、今日くらい、違う花にいけかえるおつもりだったのでしょう。
近頃は、彼女のお花が、当たり前になっていたので、彼女にお礼を言わなかったのが心残りです。
彼女のご冥福をお祈りします。
今日の私の小さな幸せ
まだ、雨が降っています。
明日の、あれ、もう今日だわ。
別大マラソン、どんなドラマが待っているのか、楽しみです。