『ドクター・ストレンジ』(2016.12.7.ディズニー試写室)
魔術を駆使する新ヒーローが登場
「アベンジャーズ」シリーズをはじめとする「マーベル・シネマティック・ユニバース」の新作。
天才的な技術を誇る傲慢(ごうまん)な神経外科医スティーブン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、突然の交通事故で“神の手”を失う。
手の回復を模索したストレンジは、神秘の魔術と出会い、修行に励むが、強大な敵との戦いに巻き込まれていく。
チベットで修業するストレンジの姿や、師となるエンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)の哲学的な教えなどによって、欧米から見たアジアの神秘が強調されているが、ストレンジのキャラクターに少々とぼけた要素を加えるなどして、随所に笑いをちりばめている。
また、時間の逆行、停止、ループ(輪)を駆使して何度も繰り返される闇の魔王との対決シーン、時間と空間の概念を超えた万華鏡のような光景など、現実離れした映像に目を奪われる。
ただし、本作は新たなキャラクターによる物語の序章なので、中途半端な印象を抱かされるのは否めない。