田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ある決闘 セントヘレナの掟』『荒野の対決』

2017-04-09 12:33:42 | 映画いろいろ

ウエスタン・ユニオンの例会に出席



 今回はトークコーナーで6月10日公開の新作西部劇『ある決闘 セントヘレナの掟』の宣伝を。リアム・ヘムズワース扮するテキサス・レンジャーが、連続殺人事件の謎を解くために、国境沿いの村に潜入する、というこの映画は、公開中の『キングコング 髑髏島の巨神』同様、『地獄の黙示録』(79)の影響が非常に強い異色西部劇だ。

 ところで、ザ・シネマで日曜の朝に放映されている「シネマ・ウエスタン」のラインアップは貴重なものが多いそうだ。

 今日は「ララミー牧場」のジェス役で人気者となったロバート・フラー主演の『荒野の対決』(65)だった。原題は「Incident at Phantom Hill」。

 南北戦争末期、軍資金を輸送する北軍部隊が南軍崩れの強盗団に襲撃され、金塊が奪われた。戦後、北軍のマーティン大尉(フラー)は、捕虜にした強盗団のボス(ダン・デュリエ)に恩赦と引き換えに道案内をさせ、砂漠に隠された金塊を取り戻せという密命を受ける。数人の部下(クロード・エイキンズほか)を集めたマーティンは、インディアン地区の荒野に潜入するが…というもの。

 金塊探しの道中物の中に、町を追放された酒場女(ジョスリン・レーン)、インディアンの襲撃、無法者の攻撃など、西部劇の定石が織り交ぜられていたので、面白く見ることができた。主役のフラーよりもいかにも悪役然としたデュリエの方が目立ってしまうのはご愛嬌。そういえば、フラーとエイキンズは『続・荒野の七人』(66)でも共演していたなあ。

 この映画には、『ある決闘 セントヘレナの掟』同様、少しミステリーの要素が入っているのだが、両作の描き方の明暗の違いに隔世の感を抱かされた。

コメント
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