今回のお題は、『廃墟の群盗』(48)。
銀行強盗を働き、逃亡した6人の男たち(グレゴリー・ペック、リチャード・ウィドマーク、ハリー・モーガン、ジョン・ラッセル、ロバート・アーサー、チャールズ・ケンパー)。彼らはデスバレーの塩湖=バッドウォーターと砂漠を経て瀕死の状態で町までたどり着く。ところが、そこは老人(ジェームズ・バートン)とその孫娘(アン・バクスター)だけが住むゴーストタウン「イエロースカイ」だった。
彼らが金の採掘をしていることを知った男たちは、彼らと取り引きをしたリーダー(ペック)を裏切り、金の独り占めを狙うが…。
欲にとり憑かれた男たちの顛末を描いた西部劇。監督ウィリアム・A・ウェルマン、脚本ラマー・トロッティ、音楽アルフレッド・ニューマン、撮影ジョセフ・マクドナルド。
ペックにはあまり似合わない役をやっている感じ。ウィドマークの方が目立つが、実は勝ち気なところが魅力的なバクスターの映画ということもできる。遠景ショットを多用した塩湖や砂漠での移動の様子や、馬の疾走感を感じさせるショットが見事。原案のW・R・バーネットと脚本のトロッティは、シェークスピアの『テンペスト』を下敷きにしたのだという。