テレビ朝日で山崎豊子原作の「女系家族」のスペシャルドラマをやっていた。大映の映画版が面白かった。
『女系家族』(63)(2009.10.26.日本映画専門チャンネル)
大阪・船場の老舗木綿問屋の当主(深見泰三)が亡くなった。すると、愛人(若尾文子)、当主の三人娘(京マチ子、鳳八千代、高田美和)、彼女たちの叔母(浪花千栄子)、番頭(中村鴈治郎)、長女に取り入る踊りの師匠(田宮二郎)が、遺産をめぐって醜くも滑稽な泥仕合を繰り広げる。
京マチ子、浪花千栄子などはまるで妖怪のようで、ホラー映画とは違った意味で怖い。残酷な話だが、自分と直接かかわりのない他人の不幸は見ていて面白いというのが本音。監督三隅研次、脚色依田義賢、撮影宮川一夫といった大映の一流スタッフが、山崎豊子の原作をテンポ良くまとめている。
山崎は、大阪の商家の生まれだというが、この作品は、生まれ育った地への愛憎がにじみ出ているのに加え、遺産相続の詳細を徹底的に調べ上げたリサーチ力に、後の医学界、経済界などを扱った大作の萌芽が見られる。
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