『ロンリーウェイ』(83)(1987.4.19.)
カナダの国民的な英雄で、東京オリンピックの1万メートル走の金メダリスト、ビリー・ミルズ(ロビー・ベンソン)の半生を描く。
『炎のランナー』(83)の主人公エイブラハムズ(ベン・クロス)がユダヤ人である自分について、あるいは『黒い弾丸/オーエンス物語』(84)のジェシー・オーエンス(ドリアン・ヘイウッド)が黒人である自分についての、アイデンティティーを求めて走っていた(描かれていた)ように、この映画のミルズも、インディアンと白人との混血である自分についての答えを求めるかのように走っている。
そこに共通点があるし、オリンピックがそうしたことの答えを見付けられる場として存在し得た純粋な時代がうらやましい気がする。
ただ、この映画の場合は、同時期に『炎のランナー』という同種の傑作があるために、見劣りがしてしまうという不幸がある。
また、低予算故か、クライマックスの東京オリンピックの描写が粗雑に見えて、東京オリンピックを一種特別なイベントとして記憶しているわれわれ日本人からすると、残念な気がしたのは否めない。
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