鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第53回】 真のトップ企業のトップの考え方

2011年02月22日 | 住宅コンサルタントとして
地域でダントツの1番店になろうと思ったら、スタッフ個々の能力の底上げが不可欠です。

そのために、時間とコストはしっかりとかけなければなりません。

しかしながら、人が成長するには時間が莫大にかかりますし、
場合によっては(というか、本人にその気がなければ)育ってくれないかもしれません。

個人が育つまでの間、しくみをしっかりと確立することで、力が不十分なスタッフでも
ある一定の結果を出せるようにしておく必要がある、ということです。

しかしながら、お客様は日々、猛烈な進化をしています。

競合他社も生き残りをかけて、商品改良に力を入れたり、コストダウンをしてきたりして、
外部環境の変化は、数年前とは比較にならないほど激しいです。

ある部分では、大手に勝てない部分も出てきます。

その部分を乗り越えるためには、しくみの確立・徹底だけでは不十分で、
スタッフ個々の人間性やスキルを高めていかなくてはならないのです。

スタッフ個々の成長と、しくみの確立。

この両方とも欠かすことはできません。

昨日、私がおじゃましていたのは、私が個人的に日本一だと思っているクライアントでした。

そこの営業責任者は、まだお若いのですが、本当に営業センスが抜群で、
個人としては楽々年間24棟は受注出来る力をお持ちです。

プレーヤーとしては、超一流です。

ご縁を頂戴してから、ずっと営業責任者をされているのと同時に、
若手営業スタッフの教育担当も兼ねていらっしゃいます。

正直、営業だけをやってもらったら、一騎当千という言葉がぴったりで、
こんなに心強い方は、日本中を探してもそんなにいない、という感じです。

しかしながら、天才肌の人によくありがちな、感覚の部分までは
他の人に教えるのは簡単ではありません。

なぜ、営業の責任者だけでなく、若手スタッフの教育も任せられているのか?

その理由を私自身もよく分かっていませんでした。

昨日、はじめてその理由を教えていただきました。

答えは「その人が最も苦手なことを敢えて克服してもらうため」とのことでした。

普通、結果のことだけ考えたら、スタッフには得意分野だけやってもらって、
大いに結果を出してもらおう、と考えると思います。

ところが、真のトップ企業の社長は、「幹部には、トコトン成長してもらいたい」という
お考えをお持ちなのだと思います。

だから、敢えて得意ではない分野の仕事で、将来、絶対にこの経験は積んでおいて欲しい、
という部分の仕事を若いうちからやってもらうのでしょう。

苦手な部分も敢えてやってもらうということは、
その分、ベストパフォーマンスを組織として出せないということにつながります。

その状態でも、しっかりと収益を出す体質を維持し、5年後、10年後の組織のあるべき姿を考え、
若い幹部にいろんな経験を積んでもらう。

常に5年、10年先を見て手を打ち続ける・・・。

トップ企業の、トップの考えに触れ、感動した1日でした。

皆さんの会社は、5年後、10年後の組織の在り方をイメージできていますか?
その際の最適な組織を構築するために、若手にどんな仕事をしてもらっているでしょうか?
コメント
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