鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2527回】 素地は変わらない

2017年11月30日 | 住宅コンサルタントとして
「三つ子の魂 百まで」という諺がありますが、
昔の方はなんて本質を見抜いているんだろう、と思います。

会社でどれだけ教育をしても、表面的な部分は変わったとしても、
その人の奥底にある根本の部分は、やっぱり変わらないと思います。

ある地域の住宅会社の経営者さんですが、
以前は超ワンマンで、自分の私利私欲のために会社の規模を拡大し、
絶対君主として経営していた。

その姿勢に、各支店を任されている支店長がついていけなくなり、
全支店長が一斉に辞表を提出し、一気に受注棟数が激減し、会社が倒産しかけた。

何とか会社を立て直そうと経営者自身が必至で仕事をすると同時に、
経営者としての自分を反省したのでしょう。
自分の考えを改め、経費を削減し、健全経営を心掛け、
会社の経営は改善していった。

社員さんの意見にも耳を傾け、良い会社をつくっていった。

そして会社の財務内容も良くなり、
このままいい感じで次世代にバトンを渡せるか、というタイミングになって、
結局昔の独裁者的な面が再び出てきて、公私混同をし、
独裁者に逆戻り、というようなケースを知っています。

経営者はもう結構な年齢なので、
これから家づくりをする若い世代の感性や気持ちなんて、
全く理解できていないのですが、
自分が良いと思ったものは売れる、とばかりに、
ピントがズレまくっている商品を開発し、
ズレた販売方法で売るように社員さんに指示をする。

商品開発やマーケティング、販売方法までを全て自分が思うやり方を貫き、
社員さんの声に耳を傾けない。

完全な老害なのですが、これがそもそもその人の素地なんです。


また、根本的に「人のために」という考えが無く、
自分のことしか考えられないスタッフさんを
どれだけ教育して、「お客様のため」「働く仲間のため」という考えが大切で、
人の役に立つために仕事をする、ということを伝え続けても、
その人のベースにそういう思考、価値観が無ければ、
結局は素の人間性が出てしまったりするのです。

能力は、入社後も上げることが可能ですが、
根本の人間性の部分は変わることができない。

面接でどれだけ良い顔を見せようが、
研修後にどれだけ話を聞いたかというようなパフォーマンスを見せようが、
本人の素地は、本人が変わろうと死ぬ気で努力しなければ変わらない。


だからこそ採用の際、本人の人間性というか、素地を見極めることが大切なのです。

そして人間の素地は、大抵幼少期の環境で決まるのです。
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