会社を経営して、ちょっとうまくいくと、
周囲のいろんな方から「すごいですね」と言われ、
それが嬉しくてたまらないタイプの経営者が存在します。
いわゆる、「承認欲求の塊」タイプの経営者です。
この手のタイプは、自尊心が高く、
(本人は自分のことを謙虚だと思っていることが多い)
とにかくいろんな方から認められたい欲がハンパなく、
ちょっとおだてられるとすぐにその気になって、
結構簡単に詐欺にあったり、利用されたりします。
そして日頃から、自分より格下の人を囲い、
集団の中心に自分がいることが心地よかったりします。
とにかく、ちやほやされると心地よい。
十分、認めてもらっていても、「まだ足りない」と、
もっと承認してもらうことを求めるのです。
こういうタイプの経営者は、
本当に気を付けなくてはなりません。
「これは、選ばれた会社にしか、
声を掛けていないプロジェクトです」
というお誘いに簡単に乗ってしまったり、
海千山千の不動産屋にそそのかされて、
絶対に売れない土地を掴まされたりするのです。
そうそう、こういうタイプは、接待にも弱いのですが、
金融機関や不動産屋、メーカーや問屋などは、
そこをちゃんと見抜いていたりするのです。
ではなぜ、この手のタイプの経営者は、
ちやほやされることに弱いのか?
私が思うに、とにかく理想が低くて、
業界内のトップレベルや日本トップレベルと
自分を比較するのではなく、
おらが町の会社と比較してしまっているのです。
自分よりはるか上のレベルの方たちには目が向かず、
身近の草野球レベルのチームと比較して、
自社がイケてる、経営者として自分はイケてる、と
感じることが心地よいのですね。
世の中には、凄い経営者、素晴らしい会社が
数えきれないくらい存在します。
若いのに自分の数十倍の魅力や能力を持った経営者や、
もう人間力で完敗してしまう、すごい経営者も多々、います。
そういうレベルが上の人に目線が向かうと、
自分の至らなさ、ショボさに気づき、
精進する気持ちが芽生えてくるかと思います。
認められたい欲が強い経営者こそ、
レベルが圧倒的に高い人たちとお付き合いさせていただき、
自分の未熟さを思い知ることが大切かと思います。