正岡子規の秋の句。天真庵ではなく法隆寺だけど。
昨日は八郷の「S」に蕎麦を手繰りにいった。筑波山の紅葉がきれいだ。
うちの珈琲豆の石臼のふるさと。しげふじも同じ作家のものをつかって、「豆腐」
をつくっている。地産地消の精神がみなぎっていて、蕎麦粉も大豆も地元
のものだ。お店の前は「渡り舟」という酒米の田んぼが見渡せ、刈り取った後の荒涼
とした風景と里山の風景は、形容しがたいほど情緒がある。自家製の豆腐やおから
とそばの「Sセット」をいつも頼む。そして「渡り舟」というそのままの酒を飲む。
すこしずつ酩酊していくと、風景の中に自分が溶け込んでいくような感覚になる。
「壺中天」とは、こんな心境のことをいうのだろう。主人は、もうすぐ70歳になる。
先週ウロフェッショナルで紹介されたわが師高橋さんも来年70歳になり、広島
から大分の杵築(きつき)に移り住むらしい。亀田窮楽の「研精極本原」の世界。
八郷の里山にもたくさんの柿の実がなっていた。東京にもどって、「声ヨガ」
の準備をしていたら、ダメ中のまいこ先生から、故郷岐阜の柿がおくられてきた。
明日スペインに旅立つ中村徳子さん、カルロスのふたりが素敵な声ヨガと、
タンブーラ、バーンスリーというインドの古典的な楽器のミニコンサートもとても
素敵だった。カルロスに柿をわたしたら「カキ」とスペイン語で叫んだ。カキはカキ
というらしい。日本のものとは少し形が違うらしい。今ごろスペインに向かう飛行機
の中のかばんに、岐阜の柿がもぐりこんで旅をしているかも。
明日明後日は「緋色の雪」という演劇をやるので、どちらも16時で閉店。
日々是道場。日々是初心。