長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

メニューにはしたくない究極の蕎麦を喰う

2015-05-08 08:20:06 | Weblog

昨日はかっぽれだった。

前日に田舎の方で山菜を調達したので、昨日はそれを蕎麦にもして食べた。

ふき。これは、塩を入れた湯でゆがいて、皮をていねいにむき、醤油、砂糖、みりん、酒

などで味をつける。ゆっくりと弱火で汁がなくなるくらいまで煮ると、春の山菜の苦みと調味料

が調和されていい味になる。酒のつまみに最高。こごみ。これは「ごまあえ」にするのが定番。

でも昨日は、さっと塩を入れた湯にくぐらせ、マヨネーズに柚子胡椒をいれて、それにつけて食べた。

朝だちしそうな「朝掘りのにんにくの芽」は、鳥のすなぎもをうすく切り、フライパンを熱して、そこにごま油

を入れ、煙がでそうなくらいに熱くなたら、一気呵成に入れ、元気にフライパンを振る。元気な砂肝が

こぼれても「なあに、3秒ルールだ」といった塩梅でもどすのもけっこう。火が通ったら、刻んだにんにくの芽

を入れ、大胆にフライパンを振る。仕上げは濃口醤油と黒七味。ビールによし、酒によし、和韻にもあうよ。

究極は「うど」。少し厚めに皮をむき、むいたらすぐに、ボールに水をはり、そこに酢をはって、むきながら

そこに投げ入れるようにする。ぜんぶ終わったら、鍋に新しい水と酢を入れ、沸騰したらむいたうどを入れる。

3分くらいゆでたら水でさらす。りっぱななめこがあったので、それも塩でさっとゆで、濃いめの蕎麦汁につけておく。

そばをゆで、水を切り、器にのせ、そこに辛み大根すりをたっぷりのせ、なめこをのせ、傍らにうどをのせ、

あったら大葉ものせ、そこに蕎麦汁をぶっかける。昨日は「かっぽれ」の仲間とこれを喰った。一瞬みな

毒を喰ったみたいに無口になった。が、すぐに器がからっぽになったのが、なによりのごちそうだった。

今日は「英語で蕎麦会」

先月はスカイツリーに観光にきたフランス人の若いカップルに声をかけ、「ぼくたちこれから、近所

の蕎麦屋であいびき、もとい、英会話をやるんだけど、いっしょしない」みたいな英語をあやつり

うまく仲間になって楽しい英会話を堪能した。二匹目のどじょうがつれたら拍手喝さいだけど、

どうなりますやら・・・・

 


風の香りと音がごちそうのカフェ

2015-05-07 08:11:49 | Weblog

箱根山が活発になってきた。人間なんて自然のほんのカスみたいな存在で、

あちらは神様みたいなもんだ。人知の及ばぬこと多し。

昔から選挙の応援演説にこんなのがあった。

「箱根山 籠にのる人 かつぐ人 そのまた草鞋をつくる人」

籠にのせてください、という気持ちをかくして、草鞋をつくります、みたいな輩が昔から多い。

みんなそれぞれ役割があって、そのもち場でせいいっぱい働きませう、みたいなニュアンスなんだろうけど、ほんとうは・・。

昨日はひさしぶりの休みだったので、千葉方面に野菜の買い出しにいったついでに、温泉にいった。

朝は農家がやっている「卵かけごはん」。そこの近くで野菜を調達し、いつもの日帰り温泉。露天風呂から

印旛沼の里山の景色がきれいで、冬が特に好き。昨日は新緑と眼の前の田んぼの田植えの風景と、かえるの合唱

を聴きながら湯船でうたたねをする。こんな幸せなひとときはない。

湯からあがると、ソファに寝ころびながら、もちこんだ本を読む。青山俊薫先生の本を読み直している。

道元禅師の「典座教訓」をやさしく解説してくれていて、湯あがりにはちとてごわいけど、うつらうつらしながら読む

のにいい。昼ごはんは、そこから車で10分ほどのイタリアン。普段は食べないけど、地産地消の気持ちたっぷりの

若いシェフがやっているので、好感がもてる。そこに、にんにくの芽が売っていた。朝立ちならぬ、朝掘りのにんにく。

それをゲットして、酒々井のカフェに。酒々井というと、天真庵の蕎麦のふるさとだが、そこに素敵なカフェがある。

里山の中にたたずむ古色蒼然たる平屋を若いアーティストがアトリエ兼カフェとして再生したもんだ。昨日は新緑

の中で珈琲を楽しんだ。さわやかな五月の風が、新録をゆらす音や、ヤマガラ、ウグイスの歌声を聴きながら

道元さんの教えの続きを読む。お寺の料理人のことを「典座」(てんぞ)という。寒山拾得(かんざんじゅっとく)の拾得は典座である。

寒山詩を残した寒山よりも、なにも残さなかった拾得のほうにひかれるのは、年のせいかしらん。

もっとも自分のメルアドは20年前からJyuttokuだけど。

今日の夜はかっぽれ。今日は昨日の朝掘りのにんにくの芽を酒肴に一杯やりましょうかね。

明日は「英語で蕎麦会」先月はスカイツリーの広場でフランスからやってきた若いカップルをひっかけて

蕎麦会をやった。明日はどこの国の人を連れてくるんだろうか?

 

 


生まれた街が世界遺産に・・

2015-05-05 08:24:05 | Weblog

昨日の夜、ぼんやりテレビを見ていたら、テロップで「明治の産業革命が世界遺産に・・」

と流れた。フーンと思っていてそのまま寝て、朝新聞で読んだらビックリ。八幡製鉄などが

対象になっている。ぼくが生まれたところは、製鉄所の門のある近くで、「春の町」

という所で今もその名前が残っている。実家(宗像・・・ここも世界遺産の候補地)に帰ると、近くの海の近くにある素敵な

女性がやっているギャラリーによくいく。彼女も同じ町の生まれなので、ついこないだ

「春の町」にできた素敵なカフェの案内をおくってきてくれた。

八幡製鉄の「本事務所」(ちょっと聞き慣れない言葉)も登録されるらしい。

そこからすぐ近くに、「まるぶつデパート」というのがあり、そこの裏手に友達の母親

がやっている小さな喫茶店があった。まだ珈琲をのんではなりませぬ時代に、一度

「ウィンナー珈琲」をごちそうになった。小さなボールに生クリームを入れ、

「こうやってつくるとよ」といって泡だて器でカシャカシャまわして、ホイップをゆくってくれ、

少し薄めにした珈琲に角砂糖を大小ひとつづつ入れ、そこにスプーンでホイップをのせ、

そのままスプーンをカップの底に入れ、みごとな手つきでウィンナー珈琲をつくってくれた姿と

味を昨日のことのように鮮明に覚えている。半世紀近く前の話だけど、アンフォゲッタブルな

一杯の珈琲。ウィンナーが入っていないのに、なぜウィンナー珈琲なの?という時代の

不思議な体験。こんどの「珈琲塾」は、このまぼろしのウィンナー珈琲の作り方を伝授しようかな。

世界文化遺産みたいな珈琲。

連日朝からバンバン蕎麦を打ちまくって、少しまた若返って50肩みたいになってきた。

明日は久しぶりに何もない休日なので、野菜でも買い出しにいきながら日帰り温泉に入り、

新緑をみながら一杯飲みたい気分。

今日も12時から19時まで元気に営業。

 


幸運をもたらす絵

2015-05-04 07:37:30 | Weblog

昨日朝、仕込みの途中で少し腰がいたくなったので、

散歩にでかけた。体にいいものを提供しようと毎朝はやくから

びん棒を振り回し、そばを打つという行為は、けっこう体を使う。

朝の10時ころだったので、知り合いの家の前を通り、WOWOWで

ボクシングを見ているのはいないだろうか、などとかすかな希望を抱き

ながら歩いていると、連休中で日ごろでも50人くらいしか住んで

いないような街も半分くらいは留守で、25人くらいの街のようなうらぶれた

感があった。その25人の中でも奇人でいば最高峰にあたるMくんと

すれ違った。コインランドリーで洗濯して家にもどる途中だとか。

「珈琲でも飲みませんか?」というので、「どこで?」ときくと、100円珈琲を

驕ってくれそうな様子だったけど、その後が怖い?ので、お店にもどって

「ほぼぶらじる」をふたりで飲みながら、四方山話。

Mくんの家にも、文人や禅林たちが書いた書や絵があまたあるけど、そろそろ

少し売ろうか?という話になった。

こないだ彼の家をのぞいたら、ある文人が書いた「却下照顧」というのがあった。

人生一歩一歩歩いている瞬間瞬間だし、その「一歩」とか「今」という瞬間をちゃんとつかめ、

足元こそ大事やぜ、という禅語。こんな書が玄関なんかに飾ってあると、その家もその家

に遊びにくるお客さんの運気も増すだろう。

今日はこれから「卵かけごはん」。春きゃべつを刻み、具だくさんの味噌汁が「春」を告げる。

炊きたてのごはんに、平飼いの卵をかけ、具だくさんの味噌汁と香のもの。

なんの不足もない朝ごはん。

 


女にもてる男になる方法

2015-05-03 08:15:35 | Weblog

そんなものはないけど、ボクサーはもてる。(みなではないけど)ではないけど、こないだ小川町にいく前に、若いボクサーたちと

銀座で3時近くまで飲み歩いた。もちろん試合の近いハリキリボーイズくん

たちは、ウーロン茶かコーラ。うちの一人は来月はじめに日本タイトルにのぞむ。

本日ラスベガスで、世紀の一戦がある。ファイトマネーが300億、という破格の値段だ。

だいたい後楽園ホールで戦っている日本のボクサーの平均なファイトマネーは10万くらいでは

なかろうか。高級なお茶漬けを食べると消える。日本チャンピオンクラスで100万?くらい。

今日のふたりは、破格の値段。パッキャオに勝ってもらいたいけど・・・どうなるかしらん。

ボクサーといえば、大山に「いわもと」という鮨屋がある。ぼくと同じ年。アラカンである。

(還暦近し)。最近はもっと大先輩たちが、自分たちのことを「アラカン」といっているらしい。

(こちらは、棺桶が近い、という意味らしい。)

「いわもと」の主人は、ヨネクラジムで日本タイトルを11度防衛した。池袋時代は近かったので、

いっしょにジムでトレーニングをしたり、鮨を喰ったり、ゴルフにもいった仲。「ながや」の長屋

くんとも何度もあった。岩本さんは小田原出身で、お店には久保さんの器がいっぱいあるのと、

寒山拾得の絵が飾ってあるのが、共通点。日本一、元気のいい鮨屋。

さて今日は日曜日。日曜日は16時閉店。今日は「日曜蕎麦大学」は日曜日。

明日の朝は「卵かけごはん」  また「早朝蕎麦打ち道場」にお弟子さまがやってくる。


10万円のお茶漬け

2015-05-01 09:01:44 | Weblog

沖縄病みたいに、小川町病(しばらく会う人に、小川町のことを話す・笑)にかかった。

五大名飯のひとつとして立派に存続している「忠七飯」とは、お茶漬けみたいなもんだ。

「えっ そんなものが」と思うごじんも多かろうが、もともとお茶漬けは、平安貴族が

毎日おいしいご馳走ばかり食べていて「まろは、ごはんにお茶をぶっかけて食べてみたいぞんなまし」

なんとていうノリで、のりをかけたり、わさびをのせたりしてできた、というのが定説だ。

一世を風靡したある料理屋では「たくわん3きれに お茶漬け」というメニューで15両(今のお金で10万くらい?)

という店も記録に残っている。関西では、朝はひやごはんにお茶漬けとか茶かゆとかが定番だったので、奈良漬けや

京都の漬物が発展してきた。関西では漬物のことを「香のもの」というのも、最初は貴重な味噌に野菜をつけて

いたものから糠漬けにかわっていった歴史があるかららしい。どちらにしても「ごはん」というのは大変貴重なもん

だし、毎日食べて食べあきないところがスゴイと思う。

昨日の夜は「ねんどの会」。小学校にあがる前からお年玉を使ってこの会にき続けているみくちゃんも

この春から中学2年生になった。うちの姪っ子ユズとおないとし。

先日20周年を迎えた「順受の会」の松田先生の師匠は故・岡田武彦先生の本に

「ヒトは躾で人になる」という本がある。躾できてないのは人ではなくただのヒトらしい。

身が美しくなる躾は、「し続ける」という言霊でもある。どんな道でも最低10年し続けて

「やっとなんとかプロ」程度になるのではなかろうかしらん。

連休中もカレンダーどおり。卵かけごはんもやりまっせ。「ごはん」を大切にしたいね。

もうすぐ八十八夜。これもお米の大切さを痛切した古人たちの魂がこもっている。