ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

ユネスコ無形文化遺産

2013-12-10 14:42:11 | 観察
そんなにありがたいことなのか。

国際機関に認められたんだから素直に喜べばいいじゃん、と言う声が聞こえてきそうだが、
別にユネスコにたてつくつもりもないし、意味がないと言っているわけではない。

そもそもユネスコの無形文化遺産ってなんなのってことで、
なぜ、何のためにそういう(無形文化遺産と言う)制度があるのか、
登録によって何をどうしていかなければならないのかがわかってないだけ。

そんなことも知らないのか、と言われてしまうかもしれませんが、
趣旨や目的がよくわからないし、見る限りどこも解説していない。

「世界遺産」は、人類共通の遺産として保護保全すべき「物」である。

文字通り「物」である必要があり、自然や建物や遺跡や環境をその範疇とする。
地形、環境、景観などの「自然遺産」、遺跡、建築物、信仰の対象などの「文化遺産」、
その両方の「複合遺産」からなる。

今年登録された富士山は文化遺産であり、信仰の対象である富士山そのものと、
多くの芸術の題材として取り上げられる景観が登録の対象。

結果として観光客が増えるのは間違いないが、観光振興が目的ではない。
ましてや観光開発によってその景観が損なわれるようなことがあれば本末転倒。

世界遺産は「物」を保護保全の対象としており、無形の文化は対象ではない。
そこで保護すべき無形文化を「無形文化遺産」として登録する制度ができた。

そこまではわかる。

では、「和食、和食文化」はどうとらえればいいのだろう。

選考基準ではないが、制度の趣旨から考えると、無形文化「遺産」とは、
・価値が十分に知られていない/認識されていない
・放っておくと廃れてしまう
・技術の伝承、後継者の育成、維持経費などに多大な負担が必要

これらの文化を無形文化遺産として登録することで、
人々に保護、保全、継承を約束させるものであると考える。

和食は広く一般に知られており、欧米各国でも認知率は高い。
廃れるとは到底思えないし、和食の伝承が力不足とも思えない。

雑誌で見たものを色形だけで真似した「トンでも寿司」とか、
一体誰が考えたんだって思うような「完全オリジナルメニュー」を
「和食」とは言いません、とするのはわかりますよ。
カリフォルニア・ロールはどうなるのかなって気はしますけどね。

その国の気候や食文化に対応したアレンジはある程度許されるとしても
海外に「正しい」和食を伝え、和の料理人を養成していく。

和の食材、調味料、調理法、調理道具類の維持、振興に力を注ぐ。

特に無くなりつつある調理道具や什器類を継承、伝承させ、
製造、保守、保全が経済的にもやっていけるような施策を取る。

そういうことなのかな。

でもニュースを見ていると、和食が無形文化遺産に登録されました、良かったね、
しか聞こえてこないんですよ。

登録によって我々は何をしていかなければならないのか、
我々は何を背負ったのか全く見えない。

良いんじゃないですか、じゃないと思うんだけどな。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« USLPGA ファイナルQT終わる | トップ | 今朝の東京スカイツリー、201... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観察」カテゴリの最新記事