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国際金融学関連、ヘッジ・ファンド対策

2007-08-13 12:26:42 | 政治経済
日銀、6千億円を即日供給 10日に続き2日連続(共同通信) - goo ニュース

ちょうど昨日一昨日と国際金融学で習ったことが理解に役立った。

ヘッジ・ファンド。

いろいろと定義はあるようだが、
簡単にいうと、
少数の超富裕層から資金を集めて短期資金運用を行うファンド。

全世界で数千、資産(資金)総額は数十兆円~百兆円程度らしい。

彼らは短期資金得運用で利益を得ることが主たる目的であり、
「儲かるもの」を追い求めている。

それが行き過ぎて「儲けよう」とすると、
インサイダー取引に走ったり、
株価操作に手を染めることにもなる。
007カジノ・ロワイヤルのル・シッフルのように、
積極的に犯罪によって株価をいじってしまう人は、
実際にはいないだろうけど、ああいうことですね。

村上ファンドはインサイダー取引を咎められた。

とはいえ、ほとんどのヘッジ・ファンドは合法的に資金運用しており、
資金供給源としての役割も大きい。

さて、アメリカの住宅建設において、比較的信用力の低い人へも
比較的高利で住宅ローンを貸し付けるものがサブプライム・ローン。

銀行などの金融機関は、この貸し付けのためにローンを証券化し販売、
ヘッジ・ファンドがこれを多く買っている。

サブプライム(準優良)顧客向けのローンで金利が高い分、
証券も金利が高いからだ。

サブプライム・ローンの中には、
当初金利を低くして途中から上がるものなど、
借りやすい条件のものが多く、
給料が順調に上がれば返済は可能だから、
ちょっと無理な条件でもローンが組まれることが多い。

また、仮に返済が滞ってもかつての日本のように土地や建物の
資産価値が上がっていく(要は値上がりが続く)のなら、
ローン返済が不能になっても土地建物を処分してローンが返せるし、
増加した資産価値の分だけ追加融資もできる。
(結局は破たんの先送りになるが)

ヘッジ・ファンドは、住宅ローンを直接貸し付けるわけではなく、
短期資金運用が主眼だから、証券化されたものを買っているわけだ。

極端な話、先々ローンが焦げ付こうが自分の投資が回収できれば関係ない。

ところが、景気はいまいち伸び悩み、
給料も住宅の資産価値も上がらないとなると、
ローンの焦げ付きが表面化してくる。

この結果、金融機関の破たん、
一部のファンドの運用失敗が表面化し、
ファンドが、資金をシフトし始める事態となっている。

また、ヘッジ・ファンドには多くの金融機関も出資していることから、
運用失敗のツケが金融機関に及ぶとも言われている。

こうなると銀行の信用不安とともに
これらの証券を扱う短期金融市場から資金が引き揚げられ、
金融機関に調達資金の不足が発生し、それが回りまわって、
株安、ドル安、為替不安、金融不安と拡大するのを防ぐため、
短期金融市場への介入が必要となってくる。

と、いうことで、この何日間の間に何十兆という資金が
短期金融市場に供給されてはいるのだが、
信用不安はおさまっていない、ということです。
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