ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

寡占部品メーカーの被災により、大手メーカー生産ストップ。

2007-07-19 22:54:17 | Weblog
中越沖地震 自動車6社、生産停止 部品メーカー被災(産経新聞) - goo ニュース

「リケン」と聞いて何を思われたでしょうか。

最初は「ふえるわかめちゃん」の理研、
理研ビタミン(株)しか思いつきませんでしたね。

本当は「理化学研究所」略称:理研も
思い出さなきゃいけなかったんですが。

それはともかく、今回の被災した「リケン」が、
ピストンリングのシェア50%のメーカーだとは全く知りませんでした。

しかし、寡占とはいえ、部品メーカーの1社が操業停止しただけで、
国内の主要自動車メーカーが一斉に操業停止してしまうんだからすごい。

トヨタの部品在庫を持たない、ジャストインタイムの弊害が出た。

ものの本によると、1997年、トヨタグループのアイシン精機で
工場火災が発生、ブレーキ部品の供給が滞るという事態が発生した。
このときもジャストインタイムの弊害と言われたが、
「トヨタグループの結束力」で事態を乗り切ったそうだ。
成功企業でよくある涙あふれるストーリーですが、
結束力で乗り切るってなんのこっちゃって感じです。

今回はトヨタグループ企業でなく、
多くの日本の自動車メーカーと取引していた会社で、
多くの自動車メーカーに影響が出た。

各自動車メーカーからも支援が出て、工場の操業再開へ向け、
協力しているそうだ。

現地では、機材の確認テストが進んでおり、
生産ラインの復旧は間もないらしいが、
肝心の電気ガス水道といったライフラインが復旧せず、
再開にはまだ時間がかかるようだ。

幸い電気はほぼ復旧し、
IT系のシステムはすでに復旧したようだ。

水も復旧の範囲が着実に広がっていて、
待っていれば近々に復旧するというレベルのようだ。

しかし、ガスの復旧はめどが立たず、
代替手段を検討しているらしい。

このニュースを聞いて、
寡占企業の持つ影響の大きさをあらためて思い知らされたわけだが、
地震は工場火災などと違って工場だけが被災したわけではなく、
多くの従業員も被災してしまう。

取引先の企業から支援が来ると聞くと、
一見日本も捨てたもんじゃないなと思うが、
よく考えてみると、
被災地の復興より自社用の部品の確保に奔走しているわけで、
はたして心温まる行為かというと何とも言えない。

従業員からいえば会社の操業より、
自分や家族の安全が大事だと思うに違いないが、
大口の取引先から大量の支援者がきて、
早く工場を再開しろ、とケツを叩くわけだから、
複雑な気持ちじゃないか。

この企業は国内シェア50%というが、それでもこれだけの影響。

世の中には世界シェア90%なんて中堅/中小企業はいくらもあるから、
日本の一企業が操業ストップしたおかげで、
世界中の生産ラインが部品待ちになるなんてこともあり得ないことではない。

在庫を持てばいい、というほど単純なものではないが、
リスク管理、危機管理としては大きな課題ではないだろうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« LET、横峯留衣、今後の予定 | トップ | クラシエ フィランソロピー ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事