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パンは家で焼く方が安いって本当?

2019-12-17 00:26:12 | 食べ物
貯金0から1000万円ためた人がやっている極意5つ、という記事があった。

たいていの節約ネタは、実際やった人がいるのだから実現可能ではあると思うが、
人目を引くために誇張されていたり、極端だったりすることが多い。
仮にそういうことがなくても、話としては面白いけど到底まねできないほど大変だったり、
状況が違いすぎるなどなどで参考にできないものも多い。

でも今回はちょっと違う。
まず突っ込んだのは「年200万円予算で暮らす」という点。

元記事を読むと「収入に関係なく年間200万円台の出費」とある。
別に200万円台が無理だというつもりはない。
家族構成がわからないけど、一般家庭でも200万円台でできないことはないと思う。
ただし、200万円と200万円台は異なる。

収入の300万円台を中央値で350万円としよう。
200万円なら、年150万円の余裕というか貯蓄ができる。
200万円台なら中央値で250万円とすれば貯蓄に回せる費用は100万円だ。

50万円の差は大きい。
150万円なら7年で1千万円たまるが、100万円なら10年かかる。
だいぶ違うぞ、とは思ったものの本題はそこではない。

「パンは作れば出費は1/5以下で済みます」の部分。

元記事には「作った方が安いものと買った方が安いものを選別して・・・」とあった。
確かにそうだろう、大いに賛同する。
しかし、続けて「パンはその最たるもの。買えば1個100円以上しますが、作れば5分の1以下で済みます。」
には賛同しかねる。

今は壊れて捨ててしまったが、ホームベーカリーを使っていた経験から言うと、よほど高級パンを買っていて、
安いパンを手作りしているというのなら別だが、パンは買った方が絶対安い。

スーパーで買う食パン一斤の最も安いものは100円しないが、記事に合わせて100円以上とする。
作れば1/5以下を1/5として、1斤20円の計算だ。

パナソニックのホームベーカリーの標準的な食パン1斤のレシピを見ると、
強力粉:250g
ドライイースト:2.8g
砂糖:17g
塩:5g
スキムミルク:6g
水:180ml
とあった。

手作りパンのレシピを見ると多少違うようだが、パン一斤の原材料はほぼ同じだろう。
そこで、スーパーで買える家庭用の安い材料をそろえるとする。
強力粉:200円/1kg
ドライイースト:265円/(3g×10袋)
砂糖:150円/1kg
塩:100円/1kg
スキムミルク:200円/100g

業務用の大量パッケージならもう少し安いかもしれないが、一般に買えるものならこんなもの。
中でも、強力粉は最安のものを考えてみた。
水は水道水とし、無視できる金額と考える。

すると原材料費は以下の通りとなる
強力粉:50円
ドライイースト:25円
砂糖:2.5円
塩:0.5円
スキムミルク:12円

これだけで合計90円。
一斤分で20円はどういう計算か。
パン作りに慣れて大量に作るようになればもっと安く上げられるにしても到底20円ではできない。

なお、パンは安いもので十分においしいと思うが、価格差ほど味に差があるかどうかは別として
高いパンはそれなりにうまい。
同様に手作りパンも高い小麦粉を使うとやはりそれなりにうまいらしい。

手作りパンのメリットは
・焼き立てが食べられる
・いろいろなパンが作れる
ことであり、
・安上がりに作れる
ことではない。

そのほかの「極意」もどこまでまねして効果があるのかはよくわからない。

1000万円貯めた方をディスる気は毛頭ないし、この極意を読んで「あるあるネタ」だと
思っているかもしれないが、納豆がいいと言われりゃすぐに買い、鯖缶がいいと言われてこれも買い、
コーヒーと緑茶を混ぜて飲むといいと言われりゃすぐやるけど、結局何がどう良かったのか
わからなくなるような人々がまねしたところで結果を伴うとは思えない。

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