楽天、敗北でＴＢＳ株売却へ

楽天、ＴＢＳ株すべて売却し撤退へ…３年半の攻防に決着(読売新聞) - goo ニュース

これはある意味残念な結果です。

楽天に肩入れしているとか、ＴＢＳをよく思っていないとかではなく、
ネットと放送の混合によるシナジー効果、
ちょっと前の言葉で言えば「通信と放送の融合」が頓挫したからに他ならない。

ネットと放送の融合で言えば、ネット側からの一方的なアプローチだった。
ライブドアしかり、楽天しかり。

先日ＴＶで見た堀江元社長の弁によれば、
ライブドアは通信と放送の融合なんて大それたことを考えていたわけではなく、
放送を通信への誘因に使いたいと思っていた程度のようだ。

これは私の推測だが、楽天はもう少し先へ進んでいたが、
それでもなお、ＴＶの持つ圧倒的な量のコンテンツをネットで利用することで、
資産の有効活用と言うか、新たな収益モデルを考えていたらしい。

しかし、ネット側の思惑とは裏腹に、メディア側の嫌悪は著しく、
自分たちが営々と築いてきた収益モデルに対してはよほど自信があるのでしょう。
ネットに侵食されることを異常なまでに嫌っているようだ。

ＴＶ局が自分たちの持つ膨大なコンテンツの利用に不熱心なわけではない。
本にしたり、ＤＶＤ化したり、オンデマンドで視聴できるようにはなっている。

人気番組の映画化、あるいはプロデュースした映画をＴＶで宣伝するなど、
メディアミックス的な動きも活発だし、いずれもうまくいっているようである。

しかし、それでもなお、ＴＶの一方的性格。
つまり、配信する時間も内容もすべて発信側が決めるやり方は変えられない。

その内容は視聴者の意見を反映させるとしても、
どうしても最大多数の要望に応えざるを得ないこと、
再放送はあるものの、一過性からは逃れられないことなど、
ネットを利用すれば別の見方もやり方もあるだろうに、、と思う。

別に楽天が主導権を握る必要はないし、
もっと言えば楽天である必要すらないわけだが、
現在のＴＶの持つビジネスモデルの組み替えが起こるかもしれないと、
淡い期待を持っていただけに、少し残念な気がしてならない。