長野の北部、信濃大町から大糸線で北上すると「仁科三湖」と呼ばれる湖があります。青木湖・中綱湖・木崎湖の3つの湖で、木崎湖は一番南にあります。2002年に放送されたアニメーション「おねがい☆ティーチャー」の舞台となり、ファンのいわゆる「聖地巡礼」の対象となりました。2002年と言えば今(2024)から20年以上前という事で、昔風に言えば「カビの生えた・・」、今風なら「オワコン」とでもいう作品となりますか。オワコンなどと言うと一部の熱狂的ファンから非難の嵐になるやもしれませんが、巡礼華やかかりしころから知っている自分としては、往時のファンの賑わいは無くなったと実感しています。木崎湖キャンプ場は作品内で重要な場面の景色として出てくることもあり、大変多くのファンが撮影に訪れたり、キャンプしたりしていました。それと分かるのは駐車場に「痛車」がずらっと並んで停まっていたり、コスプレしている人が闊歩していたからです。
爽やかな秋の晴れ空の下、木崎湖キャンプ場から北の方向を臨む。この先に中綱湖と青木湖があります。さらに北上すれば糸魚川に至ります。
この桟橋がアニメの背景になりました。かつてはコスプレで撮影しているファンが多数いましたが、今回のキャンプ中には見掛けることはありませんでした。
秋キャンプを行ったのは10月の三連休、12~14日の3日間で、つまり2泊ですね。2泊3日のキャンプのいい所は、「中日に何もしなくていい!」事につきます。初日はキャンプ場のチェックインがそもそも13時なので実質的に半日しかないうえに移動と設営作業がある。最終日は昼までチェックアウトしなくてはならないから実質的に半日で、撤収と移動がある。中日はそれらが無いうえに、丸々1日何をしてもいいし、何もしなくていい贅沢な時間をすごせます。
木崎湖キャンプ場は木崎湖畔に面した、それほど大きくないキャンプ場で、フリーサイト(どこにテントを張ってもいい)とバンガローのエリアに分かれています。近年は端の方にバレルサウナ等のお洒落な施設が増強されています。
我々は今回おっさん6人と子供1人の計7人の男だけキャンプです。バンガローエリアの2階建てバンガロー(中にロフトがあって2階建て構造)に陣取って3日間住み着きました。バンガローエリアの入口にある炊事棟の前で炊事に大変便利です。しかもトイレにもバンガローとしては一番近い。おっさんには大変都合がいい立地です。寝泊まりはバンガローなので、設営は宴会場だけだからだいぶ楽です。10月なのでタープの軒にパンプキンの電球とガーランド(三角形の小旗)も飾りました。
上の写真の一部を拡大したものです。一升瓶サイズのワイン、日本酒の四合瓶、白馬級ウイスキー(ホワイトホース)がずらっと並んでいます。どんだけ飲むんだよこのおっさんたち!キャンプ中にバンガローの宿泊客が通りかかる度に驚いたような顔で我々を見ていたんですが、理由の半分がこれだと思われます。
カトラリー(ナイフやフォーク)は米軍仕様、カップや皿は琺瑯製、その他食器は飯盒等々、つまらない拘りの詰まった男だけキャンプです。カトラリー奥の小瓶は自家製のドングリコーヒーです。
さて、木崎湖まで足を延ばしてキャンプをする理由は、ここが聖地巡礼地であったから滞在中にコスプレで過ごすことに寛容だからです。その昔はアニメやゲームのキャラクターの格好をしたキャンプ客が多数いました。しかし、ここ何年かコロナ騒ぎを転換点にしてほぼ絶滅しました。代わりの道具立てが立派なお洒落キャンパーだらけになったように感じます。そんな中で我々だけはコスプレキャンプを続けています。他の宿泊客が通りかかる度に驚いたような顔をする理由の残り半分がこれです。
続く。