19日午後の続きです。祭の華はやはり山車の巡航でしょう。観光に向いた映える写真は多くの観光客が撮ってネット上にアップしているでしょうから、少し視点を変えた写真を紹介します。
午後になると各町会で出している山車が巡行し始めます。山車は基本的には祭衣装に着飾った子供が曳きます。祭の日取りが休日に変わった理由を観光客対応の為と紹介しましたが、子供が山車を曳くのも理由の一つになっています。こうして日中から巡行するのに、学校がある平日だと子供が参加できません。小さな子供達に重い荷物を挽かせる・・・聖帝サウザーか・・。
山車の一行は100m近くに及ぶ長い列になります。曳く子供たちだけでなくいろいろな役職の大人もまじっています。
警備員だけではなく、警察官も動員されています。休日なのに大変ご苦労様です。動画撮影に熱中と言うか、集中している観光客も多いので、安全を確保するのは大変だろうと思います。
車両進入禁止になっている区域は、つまり歩行者天国状態なので信号は消灯されています。また、山車の通行の障害になるので、車道側に突き出した信号は90度折りたたまれています。電線の地中化と併せて可動する信号機も川越祭に対応した処置です。
ここは見ての通り道幅が大変狭い区域です。元々道幅はどこもこれくらいでしたが、区画整理で道幅も歩道も広げた場所が増えています。ここは本川越駅から蔵造りの町並みで有名な一番街に至る一本道の中ほどで、古くからの商店が道の両側にひしめいています。歩道も狭いので、こうして山車が通ると全く人の動きが滞ってしまいます。山車が出会った際に行われる「曳っかわせ」では、山車が道をふさいで立ち止まりお囃子を奏であうので、けっこう長い時間全く動けない状態になります。
前の写真の場所の反対側、本川越駅に向かう道路は区画整理が終わって幅が大変広くなっています。電線など地下化されて山車がフルに上がった状態で巡行しています。動画撮影をする観光客が多数いました。
信号機だけでなく、道案内の表示も折りたたまれています。これほど余裕があっても、山車の周りは観光客で混雑します。
この山車は4輪なので操舵する(ハンドルを切る)機能はありません。交差点などで大きく方向転換する場合はジャッキアップしてクルリと回転します。写真をよく見ると山車の下に人が潜り込んでいます。台車の中央(重心)に恐らくターンテーブルの様な構造があるのでしょう。そこに油圧ジャッキをあてて、山車全体を持ち上げ回転させます。
油圧ジャッキが入っているのが分かりますか?車輪が少し浮いていて、山車の向きが90度回転しています。
3輪の山車は多少操舵することもできるようですが、それでもかなり力ずくでゴリゴリ回転させます。これは道路に残った山車の車輪が擦った後です。
ここにもありましたが、なんかあまり注目されていませんでした。
乳房雲も出ていたし、雨が降り始めました。山車は大急ぎで詰所の山車庫に引き上げて、雨除けの防水処置をします。山車は高価だし、文化財でもあるし、雨は大敵です。
その3に続く。