田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

旅の食10

2006-02-19 19:04:03 | 飯田線の旅
 最近の飯田線は、それなりに沿線開発が進んできたせいか、あるいは僕らのような奴らがあちこちで不便だと文句を言ってきたせいかは知らないが、かなり線路沿いでも土日に開いている店が増えて、食料の調達で苦労することがなくなった。その昔は土日に飯田線に入ると、全く開いている店がなくて、豊橋で食料を買いっぱぐれると、その後は午後少し遅く天竜峡か飯田に着くまでは、何も食べることができなかった。だからみんな食料をある程度持参で旅行したのだ。つまり、OVAで鳥坂がカメラバックいっぱいに食料を隠し持っていたのは、そういった実話に基づいているのだ。
僕が初めて飯田線に行った10年以上前、当然そんな事情を知るはずもなく、仮にも鉄道沿線なのだから「それなりに街もあり、食事は現地でできるだろう」などと今にして思えば甘い考えを持っていた。旅行初日、行程上は中部天竜で遅い昼食の予定だったが、いざ着いてみると土曜日に開いている店がなく、食事がとれずに大変困った。その夜は伊那市に泊まり次の日曜日は、豊橋を目指して南下した。この旅行では帰りは中部天竜から「トロッコファミリー号」に乗る計画だった。そこで中部天竜で降りて、発車までの時間で買い出しをしようとしたら、昨日に続き日曜日にも開いている店が全くない。かりにもレールパークがある観光拠点なのに!せっかく展望良好な列車に乗るのだから、当然ビールを酌み交わしつつ、ほろ酔い気分で過ごしたい!しかし店が開いていない!!

 僕らはここでただ現状に甘んじて我慢するような諦めのいい奴らではないので、駅を遠く離れてビール調達に走った。改札を出て(青春18切符だから大丈夫)左手を進み、閉まっている食堂飛龍軒(今では休日もちゃんと営業している)を通り越し、少し先にある吊り橋を渡って対岸へ。そこは「中部」の街だ。ここが中部天竜の駅名の元になっているが、読み方は「ちゅうぶ」ではなく「なかべ」又は「なかっぺ」という。だが開いてる店はない。そこで昼間なので閉まっている1件のスナックのドアを激しくたたいて、出てきた「ママさん」と思しき人に「ビール売ってください!」と迫った。酒屋で買うよりもだいぶ高かったが、瓶入りビールを半ダースほど別けてもらって駅に戻った。プラスチックのコップはサービスでもらった。うきうき気分で入線してきたトロッコファミリー号のトロッコ車両に乗り込み、ビールの栓を開ける。今にして思うと瓶入りビールはかなり違和感のある光景だ。そうまでしてビールを飲みたいのか?もちろん飲みたいのだ。さあ、いよいよビール付きトロッコ列車の旅なのだ。

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