先週、4月8日(日)に上野の国立科学博物館で開催中の『インカ帝国展』を見てきた。(展覧会の内容は改めて書くことにする)
その日は講演会があるというので、楽しみにして行ったのだが、桜満開時の上野公園を、甘く見ていた私がばかだった。
とにかく、花も満開なら、人も満員電車状態。メイン通りは、前にも進めなければ、後にも戻れず、横にも抜けられず、ここで、もし地震でも起きたなら、圧死してしまうぐらいの人出だった。それでもみんな、カメラや携帯をかざしながら、少しずつ前進して行った。
その脇では、有料のお花見席で、満開の桜をよそに、大宴会で盛り上がっていた。まさに、花より団子だ。
ようやく歩けるところまで人波に押し出されてきたら、大学生ぐらいの男の子が、
「俺は、日本人に生まれてきて良かった~!」
と叫んでいた。
見事なまでの満開の桜は、見ているだけでも心が浮き立つような華やかさと、春爛漫の艶やかさがある。
桜を愛で、その下で親しい人達と、美味い物を食べ、酒を酌み交わす。平和な光景は、見ているだけでも楽しくなる。
去年の今頃は大震災の後で、全国的にお花見は自粛ムードに包まれていた。
故郷石巻の桜の名所日和山はから見える惨状は、眼下には門脇地区の瓦礫の山や、北上川に浮かぶ中瀬に架かる内海橋にたくさんの漂流物が引っかかって車も通れず、川の両側には打ち上げられた船が横転していたり、建物の上に乗っかっていたり、それはそれは地獄絵図のような状況だったそうだ。
でも、そんな状況の中でも、季節を忘れずに咲く桜は、どんなに被災地の人たちを励ましたことだろう。
あれから一年が経って、日和山から見る太平洋は穏やかで、北上川も悠々と海に向かってその流れを注いでいることだろう。
瓦礫撤去後、何もかもなくなってしまった場所にも、少しずつ人々の生活が戻ってきた。
先日、TVで見た京都マラソンの中継で、「被災地出身のランナー」として、私の母校石巻女子高校の後輩が紹介されていた。
いつも走っていた門脇地区をまた走れるようになるのに、半年かかったのだと言う。
京都マラソンに出場することを決めてまた走りだした時、それをTVで放送された番組を見た高校時代の同級生から励ましのお便りをもらったのだそうだ。
彼女の頑張りを見て勇気づけられたという同級生の手紙はまた、津波の爪痕を走る彼女の背中を押し続けて、京都まで送りだしてくれたことだろう。
石巻工業高校の甲子園出場や、母校石巻女子高出身のランナーの活躍は、被災地石巻だけでなく、たくさんの人たちを勇気づけ、励ましてくれたことだろう。
日和山の桜のつぼみはまだ固いだろうが、来週にはほころび始めるだろうか…。
満開の桜が、傷ついた被災地の人々も心を癒し、希望を持たせてくれることを祈ってやまない。
その日は講演会があるというので、楽しみにして行ったのだが、桜満開時の上野公園を、甘く見ていた私がばかだった。
とにかく、花も満開なら、人も満員電車状態。メイン通りは、前にも進めなければ、後にも戻れず、横にも抜けられず、ここで、もし地震でも起きたなら、圧死してしまうぐらいの人出だった。それでもみんな、カメラや携帯をかざしながら、少しずつ前進して行った。
その脇では、有料のお花見席で、満開の桜をよそに、大宴会で盛り上がっていた。まさに、花より団子だ。
ようやく歩けるところまで人波に押し出されてきたら、大学生ぐらいの男の子が、
「俺は、日本人に生まれてきて良かった~!」
と叫んでいた。
見事なまでの満開の桜は、見ているだけでも心が浮き立つような華やかさと、春爛漫の艶やかさがある。
桜を愛で、その下で親しい人達と、美味い物を食べ、酒を酌み交わす。平和な光景は、見ているだけでも楽しくなる。
去年の今頃は大震災の後で、全国的にお花見は自粛ムードに包まれていた。
故郷石巻の桜の名所日和山はから見える惨状は、眼下には門脇地区の瓦礫の山や、北上川に浮かぶ中瀬に架かる内海橋にたくさんの漂流物が引っかかって車も通れず、川の両側には打ち上げられた船が横転していたり、建物の上に乗っかっていたり、それはそれは地獄絵図のような状況だったそうだ。
でも、そんな状況の中でも、季節を忘れずに咲く桜は、どんなに被災地の人たちを励ましたことだろう。
あれから一年が経って、日和山から見る太平洋は穏やかで、北上川も悠々と海に向かってその流れを注いでいることだろう。
瓦礫撤去後、何もかもなくなってしまった場所にも、少しずつ人々の生活が戻ってきた。
先日、TVで見た京都マラソンの中継で、「被災地出身のランナー」として、私の母校石巻女子高校の後輩が紹介されていた。
いつも走っていた門脇地区をまた走れるようになるのに、半年かかったのだと言う。
京都マラソンに出場することを決めてまた走りだした時、それをTVで放送された番組を見た高校時代の同級生から励ましのお便りをもらったのだそうだ。
彼女の頑張りを見て勇気づけられたという同級生の手紙はまた、津波の爪痕を走る彼女の背中を押し続けて、京都まで送りだしてくれたことだろう。
石巻工業高校の甲子園出場や、母校石巻女子高出身のランナーの活躍は、被災地石巻だけでなく、たくさんの人たちを勇気づけ、励ましてくれたことだろう。
日和山の桜のつぼみはまだ固いだろうが、来週にはほころび始めるだろうか…。
満開の桜が、傷ついた被災地の人々も心を癒し、希望を持たせてくれることを祈ってやまない。