TOLITON's WEB SITE

日記中心
 
情報提供(アニメ・映画・美術関係)

交流

『ファンタジア』の鑑賞授業

2009-02-21 22:34:00 | 徒然なるままに
2月21日(土)

いよいよ花粉症シーズン到来。
今日は昨日の午後から雨も上がって、全国的に青空がまぶしい週末となった。*(晴れ)*
いつもなら朝から盛大に布団干し&大洗濯大会&庭の草取りと行きたいところだが、今の時期にそんなことをしたら、まさに『自殺行為』につながる。
今朝、ゴミ出しに外に出ただけで、今日はどこにも行けない、行かないと思った。
大人しく家にいて、溜まった家事と持ち帰ってきた仕事をやることにしよう。

というわけで、久々のHP更新。
カレンダーを見れば2月もあと一週間。
3年生は最後の授業だ。
範囲が終っているクラスも、終っていないクラスもある。(成績をつける範囲はどのクラスも終っているが、出願や受験、発表の日と重なり、全員が鑑賞できなかった授業がある)
今、全学年で『ファンタジア』http://wdshe.jp/disney/product/index.jsp?cid=23#aboutを鑑賞している。メインはアニメーションを勉強している2年生が対象だったのだが、せっかくデザイン手法を習った1年生にも、『ピカソとゲルニカ』で第二次世界大戦について習った3年生にも見せようということで、つまりは『オプション』授業なのだが・・・。
私が授業で取り上げる以上、ただの『アニメ鑑賞』ではない。
1940年公開の『ファンタジア』が、どんな世界情勢の中、どういう目的やテーマで取り組まれ、世界中に向けて公開された『1940年』という年号が何を意味するのか。1つ1つの作品に込められたメッセージを読み取り、1秒間に24コマの画像を制作する技術と大変さもさることながら、すでにあるクラッシック曲に、まるで後から曲をつけたのかと見まごうような完璧な動きをつけるという至難の技。
何の予備知識も、アニメ制作の大変さも知らなくても充分楽しむことはできるが、知っていたり、体験した後に見たほうが、もっとさまざまな視点から楽しむことができたり、感動できると思う。
そして、1940年から60年後、ウォルトの遺志を引き継いだ甥のロイが、CGを駆使し2Dと3Dを融合させ『ファンタジア2000』http://wdshe.jp/disney/product/index.jsp?cid=92#aboutを制作し、発表した。
授業ではこの2本の作品を鑑賞し、感想を書かせている。
鑑賞時には原曲の説明や作曲者についての解説のほか、地球の誕生から恐竜絶滅の解説、ギリシャ神話や日本神話、旧約聖書や新約聖書の解説、第2次世界大戦から地球温暖化についての歴史や科学・地質天文学についての解説、アンデルセン童話やグリム童話についてや、手塚治虫とディズニー、ジブリ作品についてそして、アニメーション技術の歴史と実践、最新情報や業界用語について、などなど、かなりマニアックで濃い内容の授業を展開している。
生徒たちは回を重ねるごとに鑑賞能力が高まって来ている。授業後、次回までの宿題として、今日見た作品の感想を書いてきてもらっているのだが、中には興味を持ったことを図書館やインターネットで自分で調べたことまで書き込んできている生徒もいる。もう1度見たいとビデオをレンタルして見ている生徒もいる。
びっしり書かれた毎回の感想を読むほうも大変だが、それ以上に手ごたえを感じ、時に涙するほどの感想に出会うと本当にやって良かったな、この子達にもっといろいろなことを教えたり、見せたり、作らせてあげたいなぁと思う。
でも現実には無理な話で、3年生だけでなく、1,2年生にもタイムリミットが迫ってきている。
なぜなら、私は1年間契約の講師だから。

そう、この中学校にいられるのも後1ヶ月ちょっとになってしまった。
前任校の生徒たちと泣きの涙で別れてから、もう1年が過ぎようとしているのだ。本当に月日のたつのは早いものだ。

別れがあって、また新しい出会いが始まる。次の着任校はまだ決まってはいないが、まずは残り少なくなった今の生徒たちとの時間を大切に過ごし、少しでも記憶に残るような、美術の楽しさが分かるような授業を、心を込めて精一杯頑張ろう。
そのためにも、ゴール寸前で失速しないよう、健康と事故には気をつけなくっちゃ。

ああ、それにしても花粉症はつらい*(眠い)*


インフルエンザ襲来

2009-02-21 21:25:00 | 徒然なるままに
2月20日(金)

今日も朝から風邪やインフルエンザで欠席や早退が相次いだ。
今日は1,2年の定期テストの最終日。
熱を押して登校し、保健室で試験を受けている生徒が4人もいた。
3年生で、弟や妹がインフルエンザで欠席している生徒もいる。来週の26,27日は公立高校一般入試だ。その日にインフルエンザになっていたら、受験できないのだ。入試だから『追試』はないのだ。

4時間目が終わり、緊急職員会議が持たれた。
1年生のインフルエンザが10名をこえた。3クラスで100名に満たない学年の1割以上がインフルエンザだ。今年に入ってからインフルエンザにかかった生徒は今日現在で28名。潜伏期間中の生徒を入れたら・・・。
会議というよりは通達事項だった。
『午後の授業はカット。給食終了後、全員完全下校。午後の部活動、土日の部活動や練習試合、月曜日の朝練は中止』とのことだった。
今現在、体調の悪い生徒は家で安静にしているか、病院で診察を受けること。元気な生徒も、極力外出を控え、人ごみに出て行かないようにすることなどを帰りの学活で指導し、下校指導に当たった。

2,3時間たった頃から電話がひっきりなしにかかってきた。『病院に行ったらインフルエンザだと診断された』という内容だった。
学年末テストで無理をして登校し、試験を受けていた生徒がたくさんいたのだろう。
いや、その前から、テスト前だから具合が悪くても授業を受けていた生徒もいたのだろう。
テスト監督に当たっていた先生方も、次々に入って来る連絡を聞いているうちに、自分まで熱が出てきそうだと、早々に退勤して行った先生もいた。

先生方だって、これから採点や成績付けで忙しくなるときだというのに・・・
私も今日は、学年便りを書き上げて、休み中に家でもできる仕事を持って早めに帰宅することにした。
月曜日には皆元気で登校でき、3年生にインフルエンザが蔓延していませんようにと祈る気持ちだ。*(病院)*

生まれてきてくれて、ありがとう!

2009-02-21 19:47:00 | 徒然なるままに
2月19日(木)

今日は長女の18歳の誕生日。
不覚にも私は夜の8時に学校を出るまで、そのことはすっかり頭の中になかった。

長女は前日から友達の家に泊まりに行き、妹の話だと帰りは遅くなるらしかったので、携帯でメッセージを送った。

そうしたら、「もうすぐ家に着くところまで帰ってきている」と言う。「どこかに食事に行く?」と聞くと、「今日は疲れていて、明日も早いから、食事は明日にしよう」ということで、「今日はアイスケーキでお祝いしよう」ということになり、『31』でアイスケーキを奮発して買ってきた。

今の仕事に就く前は、季節の行事や家族のアニバーサリーはすべて手料理でお祝いしていたのに、年々外食になり、『手抜きしているな~』と心苦しくもあったところへ、『忘れていた』とは親として本当に情けない。これでは仮に『ネグレクト』といわれても反論もできない。

ケーキのほかに、鯛や鮪のお刺身やお寿司も買ってきて、ささやかなお誕生日パーティーでお祝いした。

18年前、夜中の2時半に突然陣痛が来て、6時に出産。予定日より5日も遅れての出産だった。
一重の私に似ず、目はパッチリした二重でと、指はグーではなく、長い指を開いたり閉じたりそのきれいな指を見て、この子はピアニストになるかもなんて勝手な期待をしたことを思い出す。
朝焼けの美しい朝だった。
暦の上では春。よく見れば、木々には固い蕾や、庭にはチューリップの芽が出ている頃。
私は『萌』(めぐみ)という名前をつけたかったのだが、なぜか母や夫の反対に逢い、名前が付くまでの一週間、家族がそれぞれ勝手に付けた名前を呼んでいたのを思い出す。結局、夫が万葉集から選んだ名前に落ち着き、以来18年。

いろんなことがあって、彼女のおかげで楽しかったことも、嬉しかったことも、辛かったことも、情けなかったことも、それぞれたくさんあった。
家では勝手気ままにしていても、内心はとても家族思いで、見た目に反してとても生真面目で正義感が強く、ロマンチストなくせに現実的で自立心が強く、強がりなくせに寂しがり屋で、反抗ばかりして口が悪いくせに『ママが大好き』なことは分かっている。
去年ダンプにぶつかって、あわや即死!という事故にあったとき、頭に浮かんだのは長女のことだった。
あの頃毎日ぶつかってばかりいて、その日の前の晩も大バトルだった。朝、顔も見ず、声もかけずに家を出て、でも頭の中は夕べの喧嘩のことを思い出していて、本当はバスに乗るはずが、気がついたら車に乗っていたので、そのまま運転して行った矢先のことだった。

事故から生還して、帰宅し、長女を見たとたん、いきなり抱きしめてこう言った。
「あのまま逝けなかった。あんたをもう一度抱きしめてからでないと逝けなかった。」
あのまま逝ってしまったら、長女は私の遺体の前で怒るだろう。『何で仲直りしないまま行ってしまったの?!』と・・・。そして、ずっと自分を責め続け、兄や妹に責められ続けるのだろう・・・。
そう思ったら、死ねなかった。死んでいる場合ではなかった。まだ死ねないと思った。

車はフロントガラスより前の部分が大破。エア・クッションとシートベルトのおかげで奇跡的に無傷だった私は、入院することもなく帰宅。
皆から口々に『守られたんだよ』と言われた。

私にはまだ、生きてなすべきことがあるのだ。
まずは、中2のときに私に「何で私なんか生んだんだ!」と掴み掛かってきた長女が、「生まれてきてよかった」と心から言えるような幸せを掴むまで見守り、見届けること。
長男の自立を見届けること。
次女の夢の実現を応援すること。
両親をしっかり見送ること。

まだまだ、母親としても半人前の私。
こんな私を『選んで』生まれてきてくれた子どもたち。
こんな私をこの世に送り出し、育み、心配し、いつも応援してくれる両親。
その人たちを残してはまだまだ逝けない。

そして、私が私になること。
私自身を生ききること!

私にとって、両親が元気でいてくれることが、子どもたちが元気でいることが何よりも嬉しいこと。
長女にとっても、私が生きていること、元気で、自立して働いていることが一番なのだろう。

長女はこの3月に高校を卒業する。
その後の進路に、これからの未来に、希望の光があふれ、幸せなことがたくさんありますように。辛いことがあっても自分を信じて乗り越え、成長していけますように・・・。

お誕生日おめでとう。







ついにテレビ買い替え?!

2009-02-15 22:22:00 | 徒然なるままに
2月15日(日)

我が家のTVが、いよいよ寿命を迎えつつある。
見ているときに勝手に「プツン」と画像が消えてしまうのだ。
もう、購入して14年目を迎える。映っているときはきれいな画像なんだけど、ブラウン管がもう限界なのかも・・・。
子どもたちは
「もう、地デジに切り替え時だよって行ってるんだよ」
と言うのだけれど、
「TVばっかり見てないで勉強しなさい、本を読みなさい、家事をしなさい」
って行っているんだよ。
と負け惜しみを言っている私。
でも、さすがに、見たいばんっぐみの途中で「プツン」と切れてしまうのが立て続くと・・・。
というわけで、今日、電器屋さんに行って下見をしてきた。
一通りお店の人の説明を聞き、各メーカーのTVやサイズを見比べて、かえっていろいろ迷ってしまった。
・ハイビジョン・フルハイビジョンの違い、
・ブルーレイ内蔵型と別売り型、
・32型、37型、40型、42型など、置き場所の問題。
・画面に「映りこみ」がある、なし、
・下取りのあるなし、
・リサイクル料金と取り付け工事代、
・地デジアンテナ工事
・テレビ台付きセットにしたら、今のテレビ代はどうする?
などなど、ただテレビを買い換えるだけではない、もろもろの問題点が浮上。
カタログをもらって、家で検討することにして帰ってきた。

一昨年は、冷蔵庫を取り替えた。
去年は、車と洗濯機を取り替えた。
今年はパソコンとプリンターを買い替えたばかりなのに・・・。
家電製品は10年過ぎるとあちこちが調子悪くなって、修理に出すより、買ったほうが安いと言うことになって、結局買い換えになってしまう。
来年は何を買い替えることになるのかしら???

今日は泣きたくなることがもうひとつ。
ついに花粉症の症状が出てしまった。
昨日の異常なほどの暖かさに、杉の花がいっせいに開花したのだろうか?
おとといの『春一番』に乗って、山のスギ花粉が大量に飛散したのだろうか?
朝からくしゃみの連発。鼻水でティッシュが手放せない。目もゴロゴロして、耳の奥がむずがゆい。もう、典型的花粉症の初期症状!
この後、鼻水が鼻づまりになり、いつも微熱が続き、意識が朦朧として、目は充血、首から上が大変なことになっていくのだ。
こんな症状が、G.W明けまで続くのだ。
ホント、泣きたくなっちゃう。
なった以上はしょうがない。悪化しないようにとにかくマスクと目薬で頑張ろう!

Happy St. Valentine's Day!

2009-02-15 21:30:00 | 徒然なるままに
2月14日(土)

今日はバレンタインデー。
末娘はもうすぐ学年末テストだと言うのに、朝から『友チョコ』配りに忙しく、夜からは『勉強合宿』と称して、近所の同じ部活の友達の家に泊まりに行った。
長女は『仕事』と称してはいたが、実はデート?
長男はなぜか「今日は読書の日」とか言って、朝からコタツで読書。年頃の男の子というのに、収穫(?)が母親の義理チョコと、妹たちの失敗作お味見チョコという息子に、母として「これでいいのか?」という気持ちと内心ほっとしていたりが半々・・・。

まあ、日本の場合、チョコレート会社の販売促進戦術の要素が強いけれど、ドラマがはやれば「○○饅頭」を売り出すお祭り好きの国民性は、イベント大好きの私には何の抵抗もなく。
さらに今年は『義理チョコ』『友チョコ』に加えて『逆チョコ』まで登場。
セント・バレンタインデーの新時代到来という感じだ。
そう!『告白』したくてもできないのは女の子だけじゃない。チョコをもらえるかもらえないかヤキモキして、結果、もらえなくてがっかりしている男子たちよ、せっかく『好きな人に猪口を挙げて告白しよう』というお祭りなんだから(日本だけ?)男女関係なく、勢いで自分から好きな子にチョコを送ればいいんだよ!
まさに、発想の転換だね!
来年から、チョコの売り上げ、伸びるんだろうなあ・・・。

バレンタインデーの思い出は、こんな私でもそれなりにいろいろとある。
1番の思い出は、高校時代。バイト代をつぎ込んで、手作りチョコとタンポポのペーパーフラワーを贈った甘酸っぱい思い出。
あれから○十年経っても、あのときのドキドキした気持ちやときめきはリアルに思い出される。

ヨーロッパなどでは、男性も女性も、花やケーキ、カードなど様々な贈り物を、恋人に贈ることがある日なのだそうだ。
今日は世界中でハートが飛び交い(その逆もあるかもしれないが)悲喜こもごものドラマチックな1日だったことだろう

子どもたちよ、ステキな恋をしなさいね!*(プレゼント)*&テストもがんばれ!!*(チョキ)*


特色化選抜試験発表!

2009-02-15 10:05:00 | 徒然なるままに
2月13日(金)

今日は公立高校特色化選抜試験の結果発表の日だった。我校でも明暗を分けた生徒たちの悲喜こもごものドラマがあった。

5年前、息子の発表の日、息子は泣きそうな顔で、ため息をつきつきかえってきた。私は、てっきりダメだったと思い、
「会場の下見がてら、肝試しのような模擬テスト受けに行ったと思って、本番がんばればいいんだよ」
と声をかけたところ、
「3人受けて、俺だけ受かった」
と言う。
一緒に受けた友達2名は親友で、彼らのほうが合格間違い無しの成績だった。
私は内心大喜びだったが、あまりの息子の落ち込み具合におおっぴらに感情は出せず、
「おめでとう!良かったね。あと二人が一般入試で受かったら、皆で盛大にお祝いしよう!」
と言った。

それからの息子はなんだかしょぼ~んとして、親戚からお祝いの電話がかかってきてもなんとなく沈んだ返事。
私もそっと見守るしかなかった。

一般入試の前々日、一人の親友の同居していたお爺様が亡くなられた。
また、もう一人は、放課後、サッカーボールで遊んでいて、足を骨折してしまい、試験当日は保健室受験。

結果、保健室受験の友達が不合格となってしまった。

特色化選抜試験の日、3人は3人で通う高校生活を思い描き、校内、グラウンド、体育館、近所の町並みを夢いっぱいの目で見、話しながら帰ってきたのだと言う。

一般入試発表の日、居ても立ってもいられない息子は一緒に発表を見に行った。
3人はどんな会話をしながら帰ってきたのだろう・・・。

その年の卒業式、息子は卒業式の第2部、卒業生たちが自分たちで企画した卒業の会で、ピアノ伴奏を担当した。
息子が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながらの弾くピアノのそばで、松葉杖で森山直太郎の「さくら」を歌う友達。
ビデオを廻しながら、息子たちに心からエールを送った。

卒業して5年、「大学は一緒の大学に通おう!」と言っていた3人は別々の大学に進学しながらも、月に1度は会い、泊りがけで集まったりと、変わらぬ友情を深め合っているようだ。先日も成人式の後はいつものメンバーで朝まで語り合っていたらしい。今度はおおっぴらに飲みながら。


26,27日の公立一般入試まで後10日。この期間が一番苦しい。そして、クラスの本当の力が試されるときでもある。
「このクラスでよかった」と心から思えて卒業できるか、何年経っても、同窓会の通知が来ても「あいつが来るなら行かない」と言うようなしこりが残る別れ方をするのか・・・。

今までで最高の卒業式を向かえるためにも、1日1日を大切に、たくさんの生徒たちが志望校に合格できるよう、支援していきたい。

『諦めたら、そこでしあい終了ですよ』(by安西先生~『スラムダンク』より)
がんばれ、受験生!!きっと*(桜)*咲くよ!!!

ピロスマニと『百万本のバラ』

2009-02-02 22:20:00 | 徒然なるままに
1月25日(日)

きょうのNHK日曜美術館で面白い作家に出会った。

グルジアの国民的画家、ニコ・ピロスマニ(1862~1918)
居酒屋の壁に掛ける絵や看板を描いては、その日暮らしの金を稼いで放浪の人生を送ったピロスマニ。一度はモスクワの画壇に注目されながらも、彼の絵は世の中から冷遇されてしまう。商売や結婚といった人並みの生活に落ち着くこともできず、絵の依頼でも不本意な注文は拒否してしまう。彼の夢は「木の家に住みたい」というささやかなもので、グルジアの自然や庶民の生活、動物たちを描いた。
 その中に、フランスからやってきた女優マルガリータに一目ぼれし、彼女に猛烈にアタックしたがその恋は成就せず、彼女が去った後に描いたと言う肖像画があった。この悲恋はグルジアの国民なら誰でも知っている話しらしく、歌にもなっている。
『100万本のバラ』だ。
 私はこの歌を、以前加藤登紀子のコンサートで彼女のナレーション入りで聴き、とても心打たれ、印象に残った歌だった。
 その歌とピロスマニと、その絵がようやく繋がって、すごく感動した。
 彼がどれほど彼女にあこがれ、恋焦がれたことか…。彼は私財をなげうって、町中のバラを買い集め、彼女の泊まるホテルの中庭に真っ赤なバラで埋め尽くしたと言う。
 その恋物語が歌い継がれ、彼の純粋さと素朴な絵が国民的に愛され、彼自身の肖像画がお札に印刷されるまでになる。
 こんな画家が世界にいるだろうか。

 番組では、「かつてピカソは『私の絵をグルジアに飾ることはしなくていい。なぜならグルジアにはピロスマニがいるからだ』と語ったそうです」と言っていた。

 ゴッホもそうだったが、たとえ売れなくても最後まで自分の描きたい絵を描き続ける、その情熱は、時には狂気と見られかねない。でもその情熱とポリシーを貫き通したからこそ、後々の世まで愛される画家、作品となるのだろう。

 ピロスマニの名前は聞いたことがあり、絵も見たことはあるが、その生涯を知ってもっと興味がわき、作品1枚1枚に込められたメッセージが聞こえてきた。
 マルガリータの絵をぜひ見てみたい。
『百万本のバラ』ももう一度聴いてみよう。

ピロスマニの絵が見られるサイトhttp://www.pirosmani.org/marias/

埼玉県立美術館企画展「青春のロシア・アヴァンギャルド」2009年2月7日(土)~2009年3月22日(日)http://www.momas.jp/3.htm

『百万本のバラ』歌詞http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND40882/index.html
画像http://jp.youtube.com/watch?v=4D6qhcYHabk&feature=related

雪舟と宮本武蔵の水墨画展

2009-02-02 00:02:00 | 徒然なるままに
1月24日(土)

夕方、明日まで開催と言う雪舟の水墨画展を千葉市立美術館に見に行った。

雪舟だけでなく他にもたくさんの水墨画があり、その白と黒の世界なのに、奥の深い表現、筆遣いの潔さ、緻密さを堪能した。

宮本武蔵の直筆の作品もあり、『バガボンド』を読んですっかり武蔵ファンになった私にとっては、雪舟の作品より心惹かれるものがあった。(ミーハーだなあ・・・)

先日、「もし無人島(衣食住の心配はない)に何かひとつ持っていくとしたら、何を持っていく?」
と言う質問をされた。
いろいろ考えて、『水墨画セット』(墨と硯と筆)と答えた。
セットじゃ『ひとつ』じゃないかもしれないけれど、これさえあれば、いつでも、何にでも絵が描けると思う。

昔、『何もない、天井も床も全部真っ白な部屋に入れられると、人は狂ってしまうらしい』と言うことを聞いたときも、鉛筆1本(芯をくるくる撒いてあって、最後まで削らずに使える黒い色鉛筆)あれば、私は狂わないだろうと思った。
もし、それもなかったとしても、10本の指の腹を食いちぎって血を出して手でも白い壁に描き続けるだろう。と思った。

でも、『水墨画セット』と水があれば、もっといろんな表現の絵が描けるだろうなあ・・・。
よく、時代劇の旅先の場面で、墨筒と筆が一体化したものでさらさらと書状を書き付けるシーンを見かける。あれがほしい!!

私は書道はあまり得意ではないが、墨絵は好きだ。
この春上海に旅行に行くことになった。ぜひ、水墨画の本場中国で、水墨画や、その舞台となる中国の山水をじっくり堪能してこようと思う。


諦めたらそこで試合終了ですよ

2009-02-01 23:55:00 | 徒然なるままに
1月24日(土)

 今日は、勤務校が所属する地区でのバスケットボール部の大きな大会があった。今年は我が校も会場校のひとつということで、せっかくだからと朝から応援に行った。
 9:00からの第一試合。相手校は初めて対戦する学校で、途中までは接戦だった。第4クウォーターは応援する側としても、「ナイスシュー!!」を連呼できるくらいぐんぐん引き離し、初戦突破!
 ちょうど隣のコートでは、前任校も試合をしており、両方の応援に忙しかったが、こちらは初戦で惜敗してしまった。
 試合中、何度も生徒たちと目が合い、「がんばれ!!最後まで諦めるな!!!」とエールを送ると、こぶしを胸元に、頷いて応えてくれていた。
 試合終了後、前任校の男子が別の会場校で第3試合に出ると聞き、我校の次の試合が第4試合だったので、すぐに応援に駆けつけた。
 会場に着くなり、私を見つけた教え子がビックリしていた。なぜなら、我校には男子バスケット部がなかったから。
「応援に来たぞ!」と声をかけると「おう!」と応えてくれた。
 初戦は大活躍で、面白いようにパスもシュートも決まった。
 私は、隣に保護者がいるにもかまわず、生徒の名前を呼び捨てで叫びまくり,体育館中に響き渡るような大きな声で応援した。
 試合が終るなり、我校にとって返したが、第1クウォーターは負けていた。そのままじわじわと点を離され、第3クウォーターでは、午前中の試合の疲れもあってか、動きが鈍くなり、シュートも決まらなくなってきた。相手校はこれが初戦と言うことで体力の差は歴然。声を限りに応援したが、点差は開く一方で、ついに3回戦にコマを進めることはできなかった。
 試合終了後、今度は前任校の男子の応援にとって返した。
 こちらも第1クウォーターから点を引き離されていた。相手校はシード校で、この試合が初戦。こちらも午前中の試合の疲れが取れないのか、午前中のような動きの良さはない。
 何度もチャンスがありながら、肝心のところでシュートが決まらないと言う惜しい試合だった。
 でも、最後まで諦めずに打ったシュートは試合終了直前に決まり、意地を見せてくれた。
 試合終了後、挨拶に来てくれたメンバーを拍手で迎え、「みんな、かっこよかったよ!次は総体、がんばれよ!」とエールを送って別れた。

 前任校の、それも顧問でもなかった部活動の試合をわざわざ応援に行くなんて、周りはどう見ているか知らないが、たとえ1年間しか教えていなくても、教え子は教え子。その上、娘もバスケをやっているし、私自身、バスケの試合を見るのが好き。まして、教え子の成長振りが見られて、私の応援に全力で応えてくれる試合を見る醍醐味は、まさに教師冥利に尽きる。

 私の教え子たちには、試合の時でも、試験のときでも必ずかけることばがある。
「諦めたら、そこでなんだっけ?」
「試合終了です」
「そう!最後まで諦めずに、勝ちに行けよ!!1点取られたら、1点取り返せ!!!」
特にバスケ部とは『スラムダンク』と言う共通『バイブル』があるから、この『諦めたらそこで試合終了ですよ』と言うセリフは、誰がどんなシュチュエーションで誰に言ったセリフか分かるだけに、どんな大きな声での応援より、威力のあるエールになるらしい。
 前任校のバスケ部主将が、私の離任式に「どんなときでも、先生が教えてくれた『諦めたらそこで試合終了』と言う言葉を励みにして、最後まで頑張ることができました。ありがとうございます」と言うメッセージを贈ってくれた。
 ぜひ、夏の総体では自分で納得のいく試合をして有終の美を飾ってほしい。

3年生としての後輩の作品鑑賞

2009-02-01 01:08:00 | 徒然なるままに
1月23日(金)

今日の3年生の選択秘術では、当初先週の続きの『15歳の自画像』に取り組ませる予定だったが、前の時間のクラスのゾートロープ鑑賞用に並べたゾートロープを片付けられないでいるうちに、生徒たちが早めに入室して来た。
ゾートロープは毎回片付けていたので、今回初めて見るものめずらしさからか、チャイムが鳴っても次々見たがり、きりがない。そのうち「私たちもこれやりたい!」
と言い出した。
 そりゃ、時間があれば教えてあげたい、やらせてあげたいのは山々だけど・・・。
 そんなわけで、今日の選択美術は、下級生たちの作品鑑賞の時間にしてしまった。
 前半は2年生のゾートロープの鑑賞。簡単な原理と作り方、鑑賞のポイントを教え、思う存分ゾートロープを廻して鑑賞させた。
 後半は、1年生のお誕生月カレンダー。弟、妹がいる生徒もいて、結構熱心に鑑賞していた。デザイン手法については習っていたらしいが、それを作品にどう生かすかというところまではやったことがなかったようで、後輩たちの発想の面白さに感心していた。

ゾートロープにしても、手法を生かしたデザイン画にしても、1年間で全部の学年に取り組ませることは物理的に無理だ。しかし、作品を通じて、やり方や作り方を学ぶことはできる。興味と意欲があれば、参考作品を見ながらでも見よう見まねで制作することは可能だろう。

3年生の「水墨画」「篆刻」「BOXART」も同様だ。こちらは3年生にしか教えておらず、1,2年はやり方さえわからない。でも、先輩の作品を見てその仕上げ方は参考にもなり、憧れにもなっているようだ。
お互いに刺激し合い、良さをを認め合えるような鑑賞も、名画の鑑賞同様、鑑賞能力を向上させ、心を育てるのには必要だと思う。

選択美術の生徒たちは、それはそれは大切に、熱心に作品を鑑賞し、心温まる感想を後輩たちに向けて書いてくれた。ぜひ、それを授業に生かして、後輩たちに
還元してあげたいと思う。



今日は放課後、公立の特色化選抜試験出願用の書類整理に、かなり遅くまでかかった。
来週はいよいよ公立特色化選抜試験出願。
それまでには1,2年生で流行ってきたインフルエンザが下火になりますよう
に・・・。