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『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』

2014-09-07 08:48:42 | 映画レビュー
夏休みの終わりに、印象的なDVDを観ました。
「虹色ほたる」原作/川口雅幸(アルファポリス発行)
2007年初版発行当時に読んで、とても感動し、アニメ化されたら観に行こう!と思いながら、2012年に実際にアニメ化されたのに、上映された時には観に行けなかった作品でした。

DVDを観て、原作を読んだ時に私がイメージした以上の背景美樹の素晴らしさと、丁寧さに涙が出ました。
主人公の裕太が、30年前の昭和時代にタイムスリップして、ダムに沈むことになっている山間の村で過ごす6年生の夏休みの物語。

沈みゆく運命の村の風景が、とても美しく印象的で、何処か懐かしさを感じる温かい背景美樹でした。

当時の子ども達の遊びの様子も、そうそう、夏休みってこんな感じだった~!というような、今の子ども達とはちょっと違う夏休みの過ごし方が描かれていました。

村の人々との交流もとても心温まるもので、都会育ちの裕太にはどれも新鮮だったことでしょう。
村の人たちが先祖代々の村の歴史をどう守り続け、ダムに沈む村の運命をどんな気持ちで受け入れ、最後の夏をどう過ごそうとしているのか…。
この村最後の夏祭りに、子ども達がみんなで協力する取り組みが素晴らしいです!

そこで出逢う淡い初恋。でもその現実は、あまりにも残酷で…。

蛍の情景が本当に美しく幻想的で、原作のイメージを十分に表現できているなあと思いました。

ラストシーンは、とても印象的で素敵でした。

音楽が松任谷正隆さん、主題歌をユーミンが歌っています。エンディングに流れる歌の歌詞に泣けました。


あらかじめダムの底に沈むことがわかっている故郷との別れでもこんなに辛く、心に折り合いをつけながら、二度とない村での日々を大切に過ごそうとしている村人たちが印象的でした。

観ながら、ある日突然、地震や津波、土砂災害で、家や家族、故郷を失ってしまった人たちにとっての喪失感や絶望感は、どれほどのものだったのだろうと思いました、
こうなるとわかっていたら、最後の日にやっておきたかった、言っておきたかった、会っておきたかった、目に焼き付けておきたかった、持ち出しておきたかった、何より、家族と一緒に安全な所に居たかったと言う思いは、時間が経てば経つほど大きくなっていることでしょう…

でも、心の中にはあの美しい風景や懐かしい光景はずっと残り続けています。
何もかも失った場所に、記念公園が出来、より安全な堤防や災害対策が施され、新しい町作りが始まります。
新天地に移り、新たな生活が始まります。
これから生まれてくる子ども達にとっては、そこが故郷になります。
未来のためにどんな故郷を作って行くかは、それは災害を体験した人たちだけでなく、いつか自分が住んでいるところも災害に見舞われるかもしれない人たちにとっても同じように大切なことだと思います。

この映画を観て、いつか来るその日のために、覚悟と準備と人との繋がり、絆を大切に一日一日を大事に生きなくてはと思いました。

ネタバレなしにしたいので、ぜひお勧めの名作です!予告編はこちら!
http://lm.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DhPOnRKvxWqw%26sns%3Dfb&h=ZAQEl_zfP&enc=AZMtYPiGESa1IGaKtKQki9OEv2TbrbTQnDEtLYaktMI80EHMEH0wfWA_QNPRmTsu8NQ&s=1
『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』予告編映像
川口雅幸の同名小説を原作にした本作は、突然1970年代の田舎の村にタイムスリップしてしまった小学6年生のユウタを主人公にした真夏の冒険譚(たん)。どこか懐かしさを感じさせる夏休みを彩るのは、昆虫採集、花火、友情、そして淡い初恋......といったきらめくような描写の数々だ。