ni-tomoの日記

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『借りぐらしのアリエッティ』

2010-07-25 23:13:38 | 映画の日

ジブリの新作『借りぐらしのアリエッティ』を鑑賞。賛否両論起こってるようですが、私が求めるジブリらしさを感じることができたのでリピート鑑賞有りの作品でした。

私が求めるジブリらしさは、①人間が生きる世界と人間以外の動物が生きる世界はそれぞれ侵してはいけないということ、②それぞれの世界を尊重するためにそれぞれの世界で生きる道を選ぶこと、の2つが説教臭くなく描かれていることです。それぞれの世界で生きる=別れをどう描いてくれるのか、どれだけ切ない想いにさせてくれるのかがジブリに求めるところです。

今回の作品は、人間と小人という2つの種族の出会いと種族が生き残るための別れまでが描かれた作品でした。その中でも小人のアリエッティが人間の翔に自分達の借りぐらしについて一生懸命語るシーンはとても心揺さぶられました。「人間達に気付かれないように自分達が生活を送るための必要なものを借りてるだけだ」というセリフは泣けてきました。他人から見たら無くなっても気づかないものが、別の人にはとても大切でそのために必死に頑張っている人がいるんだなぁ・・・・、手を差し伸べたり目に見える形で何かを与えるだけでなく、その人の生き方を認めてあげることが本当の優しさなんだよなぁ・・・・、とか自分の生活を振り返りながらアリエッティのセリフを思うと涙が流れてきちゃうんです。

人間の翔はアリエッティ達の住まいや出入り口をどうやって見つけたんだろう??という疑問が鑑賞中気になっちゃったけど(ジブリ作品はそういう部分の説明がスゴく上手だから)、ジブリ作品としては久々に「好きだなぁ」と思える映画でした。

「物足りない」という意見が出ていたラストも、余韻を残した別れが好きな私は問題無しです。その後、翔の手術は成功したのか、アリエッティ親子の引っ越しは無事済んだのかは敢えて物語に入れる必要は無いと思います。別れの後は、翔とアリエッティの人生が重なることは無いということですから。

アリエッティ家族が住む可愛らしい家や食事風景、小人達が確かにいたと思わせる痕跡の見せ方はジブリテイスト満載。映画館は子供連れが多かったけど、ジブリ映画って子供には難しいんじゃないかなぁと毎度思います。上映時間も長くなく、満足な時間を過ごさせていただきました。