シアタークリエで井上芳雄さんと坂本真綾さん出演の「ダディ・ロング・レッグス」を観賞。
ダディ・ロング・レッグス・・・足ながおじさんです。孤児院で暮らす18歳のジルーシャは、突然幸運を手にします。大学への進学資金と日々の生活を援助するという申し出をしてくれた人が現れたのです。その代わり、月に1回手紙を書かなくてはいけません。手紙の内容は「感謝」の表現は禁止、大学生活や日々の出来事を報告するもの。でも返事を期待してはいけない・・・っていう変な条件付。ジルーシャが自分を援助してくれているのはおじいさんだと思いこんでしまってるけど、実は大学の友人の叔父(しかも若くてハンサム)ジャーヴィスだった。さてさて、2人はどうなっちゃうのかしら・・・って話。
登場人物は芳雄クンと真綾さんの2人だけ。舞台上の2人は手紙を介してそれぞれの心情を演じていくので、2人が会うことになるラストまで直接的な会話はありません。観ている方も、本を読むような感覚で舞台上の出来事を静かに見守っているような作品でした。派手な演出も無く、感情をおもいっきり歌声で表現するようなナンバーも無いのに、話が進む中でクスっとした笑いが起きたり、一途な想いがジワジワと伝わってきて、優しいラブストーリーになっていました。
人生を楽しくするための想像力とダディへの想いに溢れたジルーシャを演じた真綾さんは可愛らしかったです。坂本真綾さんの演技を見たのは初めてだったけれど、声も表情もジルーシャにぴったりでした。そして裕福な草食系ジャーヴィスぼっちゃんは芳雄クン。今年は「ハムレット」「ルドルフ」と時代に翻弄される激しい愛を演じている芳雄クンを見てきたので、穏やかで落ち着いた演技と歌声の芳雄クンは久しぶり
。
上演時間は2時間20分。「きゅっ」とまとめてしまった感がある箇所もあるけれど、登場人物が少ないこともあってそんなに気になりませんでした。1回しか見てないので印象的なナンバーもなく、メロディも頭に残ってないけど、芳雄クンと真綾さんの歌声はハマっていたし、鑑賞後ほっこり気分になれる素敵な作品でした。・・・と、言いつつも、観劇中、ルドルフの「ただのロマンスじゃな~い~
」が急に頭を駆け巡ったのはなんでだろう??やっぱり破滅的な人生を送る芳雄クンが見たいということかしら??そして狂おしい芳雄クンの歌声が聞きたいということなのかしら??