田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

天然魚 ~ 活物・白身刺

2008-12-28 21:12:37 | 田園ものがたり
熊本でも、いよいよ養殖天草マグロの成育順調の見通し。 (熊日12/27)

今から、24年前の話になります。
熊本県民の嗜好では、 “ マグロ、養殖ブリ ” 等は全く評価されず、
もっぱら  “ 天然の活物白身 ” が上とされていました。

そんなある日、K水産の専務が栄通りの田園においでになりました。
  「 おーい、コウイチ ( ヒゲの事 )、 今日は何のおるや? 」
ヒゲは、水槽から平目をすくい、盆に乗せて持って行き、
  「 今日は、これが、よう肥えとるバッテン?! 」
  「 うん、そっで良か。 」 と、専務。
ほどなく仕上げて、客席に送りました。 すると、すぐに又、お呼び出しがありました。
何か、クレームかな??? と、二階に上がっていきました。

    「 コウイチは、ビールでよかかい? 」  「 ハイ 」
専務 「 玉がったタイ。 この大酒飲みの俺が、たーた1杯のビール
      飲ーじしまわん内に、平目の活き造りの出来てしまうとは! 」
                                  
                                

平目も、まだ、自分の身に何が起こったのか解らず、目玉をキョロキョロさせています。
専務 「 ここと新町の “ 大将 ” がえが、熊本では一番 ( 刺身が ) と思うとる
      バッテン、造るスピードは、コウイチ、あんたが、はるかに早かばな。 」
20分後、平目もようやく理解して、バタ狂い始めました。
専務 「 早かばかっじゃなかもんな。 切り出しが、良かったい。 いくらでも食べられる。
      つる、ツルと入っとたい。 」


 ・・・ そして、このセリフは24年後、田園の閉店日のカウンターで再び登場したのでした。
残念ながら、24年もの間に、このヒゲの技術を、板前の誰にも、引き継がせる事は
出来なかったので御座います。

       とてもお世話になった専務の横顔の写真がありました。
                     ヒゲの祝いの席での思い出です。 有難うございました。 
コメント
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