田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

地震をしばし忘れて~好きな日本酒の銘柄は?

2016-04-20 18:38:40 | 田園ものがたり
今日も、揺れております。
弱まったし、回数も減ったようですが、時折 「 ドーン 」 と来ます。
カァちゃんが、こんなにジーッと動かないのは、見たことがありません。 (笑)
ヒゲも気分を変えて、昔話でも思い出してみましょう。

「 マスター! お酒二本といかなごのクギ煮ね。 」 と言いながら、
田園のカウンターに座られました。
いつもは、某損保会社の方々と一緒ですが、今日は珍しくお一人です。
話しは盛り上がり、ヒゲと共に酒も一升近くすすんでいった時です。
T田さん 「 所で、マスター! 今度、俺の親父を連れてきて良かネ? 」
許可を求める雰囲気です。
ずいぶん変な(!)質問をするんだナと思いながらも、
当然ヒゲは 「 もちろん大歓迎ですよ。 」 と。
                           
暫くしての或る日、親子でベンガラ色のカウンターにおいでの時に、質問の意味が分かった。
T田さんの親父さん 「 おう、大将! “ 剣菱 ” の超特級!を二本つけてくれ。 」
ヒゲ 「 あの~ うちの店は、サントリーウィスキーと灘・伏見の酒は手に入らないんです。 」
ヒゲとしては、やんわりと断わったつもりでした。
但し、この手の剣菱フリークは少々厄介です。

親父 「 うん、ウン、そうか、そうか、手に入らないのか(薄笑)。
      じゃあ、剣菱の一級酒!でイイから。 」
超特級を一級にグレードダウンして、向こうも折れてきたつもりでしょう。
ヒゲ 「 あの~ 灘の酒は置いて無いのです。 だから剣菱も御座いません! 」
親父は驚愕の表情で、ヒゲとバックの酒冷蔵庫を交互に見つめます。

親父 「 これだけ酒が在って、灘の酒は一本も無いだと~?
      じゃあ、なんば飲ますっとや? (怒気) 」
ヒゲ 「 じゃあ、先ずは、この “ 一の蔵・超辛の無鑑査 ” でいきましょうか。 」
親父 「 な、な、無鑑査ってえ、何のこつかい? 」
ヒゲ 「 ま、ざっと言うと二級酒のことですタイ。 www 」
親父 「 !?? なに~っ オルは(俺は)二級酒!飲むごつ、落ちぶれちゃ居らんバイ。(怒)」
ヒゲ 「 まあ、試しに、その二級酒とやらを飲んでみて下さい。 」
親父、しぶしぶ、グイッとあおる。
   「 ?? 何や、分からんタイ。 もう一杯! 」
今度は、ちびちび味わいながら ・・・
   「 コレが二級酒てや?はぁ~なんて美味か酒や。超特級の間違いじゃぁなかつかい? 」
           
時代は、80年代。 昭和が色濃く残っている頃。
大東亜戦争を生き延びたヒゲの父親や、このお父様達がまだまだ達者でした。
この人達の特徴のひとつは、権威主義者が多いこと。
世間で、大手と云われるところには、盲信するのです。
つまり、テレビCMが多い程、立派な会社の証しです。
だから、酒類で云うと、サントリーウィスキー、灘・伏見の日本酒が、No.1と云うことに。
    ♪♪  酒は~ 大関  心いき~ ♪♪
更に、権威附けは、級別にも及びます。
ランク一位の超特級から、次は特級、更に一級まで。
庶民は、当然一級酒を頂く感覚です。
二級酒は、日雇い労働者の酒と思われていました。

当然、CMナンバーワンの灘の酒と、ランク一位の超特級の掛け算が、
その頃の最もハイクラスなチョイスでした。
ソレを、事もあろうに、ヒゲが二級酒を提供するとは。
ニコヨン相手の食堂であるまいし。
T田さんの親父さんが激怒するのも、むべなるかなでしょう。
ついでにもう一つ説明すると、この手の方に、いわゆる冷酒を提供すると、
「 俺は、ひや酒飲む程落ちぶれちゃ居らんバイ! 」 とのセリフが返ってきたモンです。
日本酒の級別制度があった時代の、様々なドラマのひとつで御座いました。
                                
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コメント (6)
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