昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 ~まーだー~

2024-01-20 08:00:22 | 物語り

(十九)「よっ!」「元気してた?」

そして minako から届いた手紙。
 
toshi くん。
あなたを呼ぶときには、いつも「くん」付けでしたね。
年下だったから、ついつい「くん」と呼んじゃいました。
あなたの、男としてのプライドも考えずに。
ひょっとしてわたし、あなたをあなたのことを見下していた? 

ごめんね…ごめんね…ほんとにごめん。
もうすぐ二十四になる、minako です。
我が家では、家訓としてね、二十四には嫁入りすることになってるの。
お母さまもお婆さまも、そして大お婆さまも。

あなたがあの日……。
いいの、いいのよ、もう。
あなたは、まだまだ子どもだったってこと。
そのことに気づかなかったわたし、でした。

楽しい想い出をいっぱいありがとう。
でも、悲しい想い出もつくってくれたわね。
いいのよ、それも含めていい想い出になっています。
いままで、ほんとにありがとう。

もし、もしまた会うことがあったら、
「よっ!」と、声をかけてね。
そしたらわたし、
「元気してた?」って、聞くから。

キョトンとする旦那さまの前で、にっこりと微笑みかけてあげるから。



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