“だれかとまちがえてる……”。怒りではなく、哀しい気持ちが一気にこみ上げてきた。
しかし武蔵の必死の声は、嘘ではないようにも聞こえた。
というよりも、閉じられたが目が開かない。 . . . 本文を読む
五月日ざしは肌に悪いからという貴子のことばで、山肌の木陰で食事をとることになった。
「三角おにぎりのつもりなんですけど……」と、真理子がはじめて握ったというおにぎりが出された。 . . . 本文を読む
この作品は、オリジナルです。
芥川龍之介著 [歯車] を読んで衝撃を受け、
更には「無人称の作品も面白いと思うんだけど…」
という声かけに応じて、二十歳の折に創り上げた作品です。
*人称のないことで、読みにくさがあります。
申し訳ありませんが、読み手のあなた、「わたし」「彼」…何でも結構です。
人称を付けてお読み下さい。
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