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甘い桃

2014-08-08 05:15:20 | 日記

河内長野は果物栽培もまずまず盛んだ。中でも 果物好きの私が頼りにしているのは 河内長野の「小山田の桃」です。「小山田の桃」と一口に言っても、確実に甘いおいしい桃が手に入るわけではない。 桃という果物はおいしく甘いものと 時に「大根の方がましだわ」と思うようなものに当たることもある 味に極端な差が出来る果物だ。 ちなみにブドウや柿は 桃ほど味に極端な差がなくどこで買ってもまずまずおいしくいただける。

今から10年ほど前に 小山田の中でも とびきりおいしい桃つくりの農家を紹介してもらった。 80歳をとうに超える老夫婦で丹精込めて栽培しておられる。 組合を通じて農協などで販売もしておられるが 私は 早朝農園まで出向く。そこではご夫婦が いつも とめどなく流れる汗をぬぐいながら 収穫 選果 箱詰め 発送などの手作業をしておられる。桃というのは実にデリケートな果物だが 箱詰めされて各地に送付されていくのは 大きく、美しく、甘く 贈り物にした先から「食べるのがもったいない」とまで言われる。 一年間 手塩にかけた桃たちだ。しかし 1箱の桃の陰に 売り物にならないものが 3倍はあるのではないか?と思う。 桃の柔らかい肌は ちょっと手で強く持つだけで すぐにはわからないが時間が経つと確実に傷になって変色している。 また木の上でもいろんなことがあって傷物にもなるようだ。 何の傷もない極上の桃しか箱詰めされない。それらの桃はとろけるように甘い。 畑の桃の木の下には 見事に大きい桃も落ちているが 自然に落下した桃は生育に問題があるから落ちるので、拾ってもらって来て食べても 不思議とおいしくないので 農家のHさんは「そんなんはあかん」と見向きもしない。 収穫した桃は選別され極上だけ箱詰めされ 贈り物に発送されていく。 残りの3倍?はあろう「選外の桃」は 家庭用の茶箱に詰められるが そこにも入れなかった傷の桃がたくさん出る。 私は 贈り物用をお願いするが その傷の桃を 「持って行き!」という言葉に甘えて 無料でもらってくる。 味は 極上品と変わらないが 傷があるので すぐにそこから痛みが広がってくる。それでも、その傷ごと甘くておいしい桃を 毎日食する。おかげで体重が増えてしまった。 その桃のシーズンも もう終わりに近づいた。

Hさんご夫妻は 梯子から落ちて骨折されたりしながらも 汗の湯気を吹き出しながら 一年の成果をいま摘み取っておられる。 購入したいお客さんは多く皆に対応しきれないのだが 組合との付き合いもあり 街の直売所にも出荷を求められるそうでいつも苦慮しておられる。おいしい桃を贅沢にいただけるのはとてもうれしいのだが Hさんご夫妻の体が案じられる。 今年もありがとうございました。ゆっくりお休みくださいね。