イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ドルチェット ダルバ ボルゴーニョ

2015-08-20 22:19:24 | イタリアワイン

3本目はボルゴーニョのドルチェット ダルバ(Dolcetto d’Alba Borgogno)2013です。去年の2011年のコメントを読み返すと。2011年と2013年の天候の違いがはっきりと解るような気がします。それは、去年感じていた苦さに太さが無く、とてもゆったりとしているからです。私なりのドルチェットの理解はどんな癖球を投げられても、鷹揚に受け止めてくれる懐の深さにあります。2013年のように穏やかな年に造られたドルチェットは特にそのように感じられます。それと、去年拾い切れなかったナツメグやユーカリの香りや味わいが、はっきりとは感じられませんでした。しかし、ユーカリの香りを感じたい願望はあります。それと云うのも、以前ユーカリの香りを何気に拾えた時に、個性的な食材にも合わせられる理由がここにあるのではないか、と思ったからです。

サクランボの香りに隠れるようにクランベリー、グスベリーの香り。そして、ちょっと遅れてチョコレート香り。ほろ苦さを伴った滑らかで優雅なタンニンと洗練された穏やかな酸、中庸ではあるがふっくらした寛容な果実味はバランスよく。フルーティーなアフターテイストにゆったりした余韻を楽しめます。

今までの3本、同じ状態でブラインドで出されれば解るのだが、ヴィンテージが変わっていたり、ロットの違いによる変化に対する対処能力、ここをクリアー出来れば、何の問題もないのだが、そうは行かないの世の常。